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合格体験記 私の司法試験合格法

永木 裕介
明治大学政治経済学部経済学科 卒業
慶應義塾大学法務研究科 修了
卒業後、1回目に司法試験合格

 

1 短答式の勉強法

 短答式の勉強は、ロー3年次の12月ころから着手し、本格的にやりだしたのは受験年の3月からでした。もっと早くやるべきです。
 
《憲法》

肢別本を使い、Wセミナーの逐条テキストに書き込みながらつぶしていきました。
特に統治の分野はこれまでほとんど勉強したことがないため、逐条テキストで情報を整理しながら2回ほど肢別本を回しました。
 
やり方は、問題は一切見ずに、解説部分をひたすら読む、というものです。ただ、1つの肢ごとに逐条テキストを参照し、周辺知識を確認していたので
時間はかかりましたが、その分、少ない演習回数で知識を詰め込めたと思います。
人権分野はネット予備校の判例百選ランキング講座を4回ほど繰り返し聞いて、レジュメに書き込み、覚えるという方法で行いました。
肢別本を用いてもよいのですが、でてくる判例を1つ1つ自分でつぶしていくのは効率が悪いと感じたため、上記のような講座を用いました。
人権分野で出てくる判例はほとんど決まっていて、しかも、その判例で問われる部分というのも毎回同じです。それを自分でみつけるのは大変なので、このような便利な講座を利用するのが良いと思います。

《民法》

憲法同様に肢別本と逐条テキストを用いて、解説部分のみをひたすら読み、書き込み、ということを繰り返しました。
もっとも、根抵当など問題にあたらないと分からない部分については、適宜、問題も参照していました。
民法の逐条テキストは、はじめこそ情報が膨大で覚えきれるか不安になりますが、意外と既に知っていることも多く、細かいことも考えればわかることばかりなので、1周してしまえば2周目以降は楽になりますし、私は時間がなくて出来ませんでしたが3周もすれば民法の択一は得意科目になること間違いなしです。

《刑法》

刑法は逐条テキストを用いるのは他と同じですが、肢別本ではなく過去問集を使いました(辰巳のパーフェクト)。
その理由は、刑法の場合は学説問題など、肢ごとにしてしまうと問題の意味を没却するものが多いため、過去問形式で演習を行いました。
やり方としては、問題を解き、解説を読み、逐条テキストに集約するというものです。

 以上、共通しているのは、択一では論文の勉強だけでは手が回らない部分からも出題されるため、範囲が広く、細かいので逐条テキストに情報集約していたということです。
 漫然と過去問を解いていても、2周目には忘れている。それでは意味がないので、形に残るように情報集約し、繰り返し、表などでまとめるなどの工夫をすれば、量をこなさなくても、短期間で身に付くと思います。

 

2 論文の勉強法

 論文では、科目特性があるものもありますが、基本的には勉強方法は共通しています。
 普段の勉強においては①全体の把握と②個別論点の把握の2つを常に意識することです。
 具体的には、債権譲渡の異議なき承諾の論点を勉強するときに、それについてだけ基本書や判例を読み、終えてしまうと②の勉強だけにとどまってしまい、それが債権譲渡という単元の中でどのような位置づけかがわからずに終わってしまいます。そのため、私ならまず基本書の債権譲渡の章をすべて読んだ上(①)で、異議なき承諾の判例や学説などにあたっていきます。
 そうすることで、どういう場面でこの話が出てくるのか、また他にはどのような抗弁や反論があり得るのかということがわかり、実践的です。
 また、民事系科目であれば常に要件事実を意識します。そうすることで、より具体的に個別論点(②)の位置づけを把握できるからです。

 出題される範囲は膨大ですが、例えば民法も、意思表示の瑕疵・代理・時効などトピックだけで言えば数はあまり多くありません。それらを細かく見る前にまず、大局的な視点で捉えてみてはいかがでしょうか。

 また、論文の勉強ということで言えば、基本書なり判例を読みインプットをする際は、常に、同じ問題が論文で問われたらどのように論理展開し、記述するかを意識することが大事です。日ごろからこのように考えていれば、改めて論証を覚えるという作業は極力減らすことが出来る上に、未知の問題が出ても、普段通り考えればよいので慌てることも減ります。

 そして、これまではインプット面での話でしたが、論文の勉強においてはインプット1、アウトプット9が理想です。
 完全に覚えるまでインプットを続けるのではなく、先の例で言えば、全体を把握し、個別の論点の所在ぐらいがわかれば、すぐに問題にあたるべきです。
 そして具体の事例の中で、どのように請求を立て、抗弁があり、または解釈上の問題が生じて、規範にあてはめるのか、ということを検討する。この訓練が少ないと、知識はあっても問題が解けないということになりますし、そもそも法律という抽象的なモノを把握するには事例という具体の中で実際に使ってみるのが近道です。
 規範は覚えていても、それにどのように事実を評価しあてはめたらよいか、ということも事例の中でしか培うことはできません。

 以上、インプットにおいては全体の把握と個別論点の把握を交互に行うこと、それにより、なんとなくわかったところでアウトプットの数をこなすことが論文の勉強法となります。
 ちなみに、アウトプットの教材については、市販の問題集(予備校も学者の方のも)がたくさん出ていますので、レベルにあったものを選べばよいでしょう。
 他にも、予備試験の過去問や法学教室などの雑誌についている演習問題がありますし、ロースクールで扱う教材もあります。これらの中から1冊だけ決めて繰り返し解く・・・のではなく、できるだけ多く解くとよいです。それは、出題範囲の広さからして、1冊ではそのほとんどをカバーできないので、抜けや漏れが生じるからです。

 また、インプットとアウトプットを通じて大事なことは、情報を集約することです。これは択一の勉強と同様です。
 その集約教材として、予備校本でも、自分のまとめノートでも、何でも構いません。ただ、インプット・アウトプットにより得た情報を、必ず何か1つに集約していく。
 それにより、忘れてしまってもそれを見れば思い出せる状態にしておく。その積み重ねにより、そこに載っていることは大方、頭に入っているという状態で試験当日を迎えることができると思います。

 

3 過去問の取り組み方

 過去問については、すべて解くべき科目と、そうではない科目があります。
 『過去問は大事である』ということには同感ですが、すべての科目においては妥当しないと思います。
 具体的には、公法系と刑法では同じことが繰り返し問われていますが、民事系や刑訴では必ずしもそうとは言えません。

 特に公法系は全年分について完成形の答案を作成し、理解しておくことで、同じような話がまた出題される可能性が高いです。
 しかし、民事系や刑訴では、同じことがでるわけではないので、出題形式になれるために直近の3年分くらいをみておけば十分だと思います。
 また、民訴は問題に疑義があることが多いため、そのようなことをあまり悩むのは効率が悪いです。

 以上のことを念頭においた上で、ひたすらに過去問を解いて出来不出来を一喜一憂するのではなく、必要な過去問を必要なだけ解いて、答案の完成形を用意し、司法試験本番に活きる形での活用が望まれます。

  

4 さいごに

 上記では、できるだけ効率的に学ぶにはどのようにしたらよいか、という視点から勉強の仕方をご紹介していきましたが、絶対的に必要な勉強量というものはあります。今までで一番勉強した、といえるぐらいやってみてください。
 

以上

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