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合格体験記 私の司法試験合格法

金子 大介

 

1 経歴

2005年3月 私立愛光高校 卒業
2006年4月 関西大学法学部法律学科 入学
2010年3月 同大学 卒業
2010年4月 明治大学法科大学院 入学
2013年3月 同法科大学院 卒業
2017年9月 司法試験合格
 

2 成績

1回目 短答 不合格
2回目 短答 不合格
3回目 短答 合格
    論文 不合格(約1900位)
4回目 短答 合格
    論文 不合格(約2800位)
5回目 短答 合格
    論文 合格(約800位)
  

3 法曹志望の動機

 私は、高校を卒業した後大学浪人しましたが、浪人生時代の途中まで歯学部を目指していました。歯学部を目指した理由は、単に兄が歯学部に行っていたというだけでしたので、将来歯医者に絶対なるという目標はありませんでした。そんな中、理由もなく漠然と弁護士の仕事って楽しそうだなと思い、急遽文転し法学部に入ることになりました。
 弁護士志望の動機がほとんどないこともあって、大学時代、さらには法科大学院時代にはあまり勉強に熱が入りませんでした。しかし、先に合格した同級生達の話を聞いていくうちに弁護士への憧れが強まり、勉強に対して本気に立ち向かうことができるようになりました。
 

4 短答式の勉強方法

 私は1回目、2回目は短答式試験で落ちました。しかし、友人から教わった下記の勉強法で勉強したところ、3回目以降は安定して得点をとり合格することができるようになりました。
 
【民法の勉強法】

 過去問(辰巳の短答過去問パーフェクト)を解きながら、条文・判例本に書き込んでいました。ここでは、出題の年度はもちろん、どこの文言をどのように変えて出題されたのか、どの判例のどの文言を変えて出題されたのか等、細かく書き込んでいました。この作業にはかなりの時間がかかりましたが、過去問の出題傾向がわかるようになり、さらには知識も定着していきました。
 後は、過去問で間違えたところを重点的に何度も解きなおしたり、過去問1週目で分かった出題傾向をもとに条文・判例本を流し読みしたりしていました。

 
【憲法の勉強法】

 統治の部分については、民法と同じやり方で勉強していました。
 人権部分については、条文・判例本ではなく、判例百選に書き込んでいました。ここでは、判旨のどの部分について問われたのかについて書き込んでいました。

 
【共通の勉強法】

 短答式の勉強をする際、効率的に勉強することを考えていました。具体的には、短答式で出てきた問題が、論文試験で出た場合に、自分ならどのように書くのかを簡単に考えていました。そうすることによって、短答式での知識もよく定着し、論文試験にもいかせることができたと思います。

 

5 論文の勉強方法

 インプットについては、予備校のテキストを使い、論証や知識を頭に入れていました。司法試験では、コンパクトな答案を書けるように目指していたので、予備校の論証を自分なりにコンパクトなものにしていました。
 アウトプットについては、ほぼ過去問で勉強していました。自分の中では、過去問を何回も解いて完璧になったら、問題集などを解こうと思っていましたが、結局過去問以外の勉強はほとんどできませんでした。しかし、過去問こそが一番優良な問題集であると思います。
 初めは、出題趣旨や採点実感を読み込んでから、過去問を解いていました。そうすることで、司法試験ではどのような点に着目すべきなのか、このような文言の設問はこのようなことを聞いてきているのか等を身に着けることができたと思います。そして、書いた答案は合格者の方に見せてアドバイスをもらっていました。
 

6 論文を書く際に意識していたこと

 前述したようにコンパクトな答案を目指していたので、どの部分を省略していいのか、どこをコンパクトに書くのか、どこを厚くかくべきなのかを意識していました。やはり、答案にはメリハリが必要だと思います。問題とならないところを長々と書いていても、そこには点が入らず、さらには書くべきことを書けなくなりそこの点数が伸びないという事態にもなります。4回目の時に順位が落ちたのは、この点を徹底していなかったせいだと思います。4回目の時はインプットに力を入れていたので、知識がありました。その分、思えていることを全部書きたくなり、メリハリを考えずに書いてしまいました。
また、小学生でもわかるような日本語を書くこと、一文を長くしないこと、一文には主語と述語が一つ等、文章の読みやすさを追及していました。
 試験委員が聞いているところ、または現場思考型の問題では、三段論法を徹底していました。「条文の文言→趣旨→規範→事実→評価→規範→条文の文言」の型を守っていました。評価が抜けていたり、最後規範にあてはめずに文言にあてはめたり等がないように気を付けていました。
 あとは、設問で聞かれたことと答案の末尾を対応させることを徹底していました。具体的には、「Aは~できるか」と聞かれていたら「Aは~できる」と答えていました。当たり前と思うかもしれませんが、できていない人は少なくないと思います。
 

7 最後に

 勉強について、量は必要だとしても、量より質を重視すべきです。グダグダ勉強を10時間続けるよりも、集中して目的意識をもって5時間勉強するほうがよっぽど有意義だと思います。例えば、予備校の答練を受ける際、なんとなく受けるのではなく、三段論法を徹底しようとか、構成と答案作成の時間配分に気を付けようとか、自分の課題をもって挑むべきだと思います。
 長々と勉強方法や答案の書き方について述べましたが、合格者の中でも、勉強法や答案の書き方は様々だと思います。なので、参考程度にしていただき、色々な合格者の方から話を聞き、自分に合うもの、必要なものを選別して実践していただければと思います。
頑張ってください。
                        

以上

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