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私の司法試験合格法  合格体験談

明治大学法科大学院未修者コース2015年卒業
第69期司法修習生
佐藤栄晃

1 法学部時代の学習状況

私はテレビの影響などで漠然と弁護士になりたいと考えて中央大学法学部に進学したものの、一人暮らしの開放感から4年間遊び続け、法律の勉強とはほぼ無縁の学生生活を送ってしまいました。「ロースクールには未修者コースもあるので3年間あれば受かるだろう。未修者コースも勉強せずに受かるだろう。」という甘い考えを持っていた私は、大学4年次に2校受けたロースクールにどちらも不合格となってしまいました。

2 法科大学院入学前の学習状況

2011年3月に中央大学を卒業した時点で民法177条が何かも分からないレベルだった私は、無理をして既修者コースを目指すのではなく、3年間じっくりと勉強して確実に1回目で受かるようにするために未修者コースを目指すこととしました。
浪人中の1年間は、以前のような甘い考えは捨て、入学時点で少しでも基礎を固めておくために、未修入試と並行して憲法・民法・刑法の3科目については一通りインプットとアウトプットを済ませました。もっとも、まわりに司法試験を目指している友人はほとんどいなかったため、書いた答案を見てもらったり質問したりする機会は全くなく、闇雲に三科目を一周した程度でした。
そしてロースクール受験の結果、授業料の免除をいただいて2012年4月に明治大学法科大学院に入学しました。

3 法科大学入学後の学習状況

⑴ 1年次
1年次はロースクールの授業もほとんどが講義形式のものであり、授業をペースメーカーにして該当範囲の基本書を読み進めていきました。また、友人と自主ゼミを組んで旧試験の過去問等を解き、補助講師の先生の指導を受けることで、アウトプットの訓練もしていました。新司法試験の過去問(上三法のみ)を1年分、時間を計らずにじっくり解いて、現在の実力とゴールまでの距離を見定める作業をしたのもこの時期です。
⑵ 2年次
1年間のロースクール生活における授業や自主ゼミ等を通して、私は自分には文章力や現場思考型の問題への対応力はあるが周りに比べて圧倒的に記憶力がないと分かりました。どれだけ深く勉強して理解しても、1ヶ月後にはほとんど忘れてしまっており、このままでは合格前日の時点で3年間の勉強内容が頭に入っている状態にもっていくことはできないと思いました。そこで私はこの自分の弱点をカバーするため、2年次の前期から、授業で扱う範囲に合わせて各科目のまとめノートを作ることにしました。
作成にあたっては、単なる作業のようになることを避け、本当に理解しているのかを常に確認するようにしました。作成時点での自分の思考・理解の到達点が可視化されて残さるため、後に自分の理解の誤りを発見しやすいというメリットもあります。
⑶ 3年次
3年次はまとめノート作りを継続しつつ、過去問や演習書を中心にアウトプットの訓練をしました。問題を解いていて知らない知識が出てきた場合には逐一それを試験直前期に読むまとめノートに組み込むことで、一度間違えた問題は二度間違えないように気をつけました。過去問を、時間を計って解いた後は、市販の合格者答案集を用いて上位合格者から下位合格者までの答案を研究し、構成や事実の評価のうまい部分、論証部分の長さなどを参考にして自分の答案に活かせるようにしました。これは非常に役に立ったと思います。
⑷ 直前期
3月にロースクールを卒業した時点でまとめノートへの一元化が一応終わったため、自主ゼミで短答対策と論文のアウトプットを行いました。2時間型の問題の起案の際には、時間内に解ききることを何よりも重視し、時間も5分短縮するなど縛りをかけて本番で途中答案を防ぐ工夫をしていました。
この時期に行われた予備校の全国模試は、司法試験と同じ日程(曜日まで同じ)で行われ受験者も多かったことから、自己の現在の客観的な力をはかるのに最適でした。私の場合、模試の試験会場も本番と同じ所だったため、試験当日も会場までの道で迷うこともなく、精神的に大きなアドバンテージを感じました。
⑸ 短答対策
短答対策は過去問には手をつけず、網羅性を重視した市販の問題集を使いました。1週目を丁寧に解いて間違えた問題に印をつけ、超直前期に間違えた所をもう一度解き直しました。本番では8割以上の点数をとれました。もっとも、今振り返ってみれば網羅性を重視した問題集をやらずとも、10年近くたまった過去問を何度も繰り返して解くことで十分であったように思います。短答式の問題は過去問と重複している問題も多いためです。

4 アドバイス

⑴ 勉強方法について
おすすめの基本書や具体的な勉強方法などは合格者によって本当に様々です。そこで私はできるだけ多くの受験生にとって有益であるよう、自分の勉強方法を抽象的にまとめたいと思います。
司法試験合格のためには、①自分の特性(記憶力がある方かない方か、文章力がある方かない方か、現場思考的な問題への対処がどれくらいできるか)を十分に把握した上で、②自分に足りない能力を補い、伸ばしたい能力を身につけるために、それに見合った勉強計画を試験日から逆算して立て、③立てた計画を適宜見直しつつ学習をすすめていくのが重要だと考えています。ロースクールの授業なども、この①〜③の過程に使えるものはすべて利用していくとのがポイントだと思います。
私は①で自分に足りないのが記憶力であると判断し、それを補うために試験直前期に見直すためのまとめノートを作成することでそれを補うこととし、まとめノート作成とアウトプット能力の向上を中心として学習計画を立てていきました。
⑵ 自己の反省点
上記で計画的な勉強が大事だと偉そうに述べておきながら申し訳ないのですが、私の勉強の失敗点は短答対策が遅くなったことです。本格的に対策をはじめたのは年明けからであり、上記の肢別本も予定では3週するつもりだったのですが、直前期に論文の演習量を増やすように計画を変更したため、結局1週半くらいしかできませんでした。短答対策は論文対策に比べると記憶力が重要であり、私のもっとも苦手とする分野だったためもう少し余裕をもってはじめれば良かったと思います。
⑶ 最後に
試験前日まで計画的に学習をすすめて本番に挑むことができれば、後は最後まで諦めなければ合格できます。私は初日の三科目がまったくうまく書けず、それまで殆どしたことがなかった途中答案を連発しました。試験中に頭が真っ白になり一度諦めかけて机にペンを置いてしまったこと、帰りの電車の中で涙が出てきたことを今でも覚えています。しかし、それでもこれまでの努力を信じて何とか自分を奮い立たせ、2日目以降で初日の失敗でとれなかった点数を大きく上回る点数を稼ぐことができました。
来年受験する皆様も、最後まで諦めず残り1秒まで書ききってください。心から応援しています。