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合格体験記 私の司法試験合格法

69期 MS
明治大学法科大学院既習コース2012年卒

平成27年度司法試験合格

 

1 経歴

・群馬県前橋市にて育つ
・慶応義塾大学経済学部
・明治大学法科大学院既習  2012年卒業
・4回目合格

2 法曹の志望動機

私が弁護士に興味をもったきっかけは、祖父、父が弁護士であり、その背中をみて育ったからです。そして、少子高齢化による地方衰退を体感したことから、自分は地元に戻り、地元のために働きたいという思いがありました。このような経緯から、私は、「群馬に活力を生み出す弁護士」を目指したいと思うようになりました。

3 短答式の勉強法

短答式では、第一に、肢を明確に切るための基礎知識を増やすことが大切です。なぜなら、確実に切れる肢があれば、選択肢を効率よく絞ることができるからです。そこで、私は、情報を択一の過去問に絞り、それを何度も繰り返し、骨太の基本知識を抑えるという勉強方法をとりました。
第二には、制度を比較して、体系的に理解することが大切です。上記方法を用いても、最後の1つを絞れないことが少なくないです。そうしたときは、断片的な知識から一歩引いてみて、制度の体系的理解からアプローチすることで、相対的に肢を絞れることが多いです。そこで、私は、過去問を条文ベースの参考書に書き込んで一元化し、それをスピーディーに反復する中で、制度を比較し、体系的理解を深めました。

4 論文の勉強法

(1)私は、自営色の強い育ちであったこと、国語が不得意だったことから、司法試験との相性はとても悪く、合格するのに時間がかかりました。そのため、改善した点は多岐に渡りますが、ここでは、特に印象に残っている3 点、①試験との相性、②ベテラン受験生の勉強法、そして③国語力について書こうと思います。
(2)①試験との相性について
自分はもともと、育ちや性格が関係していると思いますが、力を入れる、入れないのメリハリをかなりつける人間でした。これは、良い意味でいえば、効率が良い、特化している場所があるということになりますが、悪く言えば、ずる賢い、面倒くさがりともいえます。そのため、当初の試験の答案は、みんなが書く基本部分にはあまり力を入れず、みんなが悩む応用部分に力を入れるという認識で臨んでいました。
しかし、司法試験は平均的で無難な答案を書く方が遥かに合格しやすい傾向にあります。なぜなら、本試験は、相対的に半分の点数さえとれば受かるという特殊な試験で、残りの半分には難しい応用部分が含まれているところ、時間内に効率よく安定的に半分の点数をとるには、そのような応用部分で勝負するのではなく、基本部分で点を稼いだ方がよいからです。そうすると、自分が書いていた答案は、応用部分があたれば点が高く、外れれば点が低いという不安定な答案になっていたのです。8科目もある試験で、このような答案を書いていたのでは、合格する確率が極めて低くなります。そこで、私は、徹底的に意識改革をして、基本部分で点を稼ぎ、応用部分は攻めすぎずに守るという無難な答案を書く練習しました。具体的には、正解にあたる出題趣旨に固執して難しい応用の議論をするのではなく、再現答案を何通も分析し、どの部分が当該問題の基本部分にあたるか、そして応用部分ではなくそこで点を稼げているかを毎回チェックするようになりました。手段としては、基礎部分と応用部分のマーカーの色を分け、自分の書いた答案を添削する等していました。素の性格に関わる部分を修正するには時間がかかりましたが、こうした努力で、なんとか多数派の合格答案に近づけて、安定して合格点を採れるようになりました。
(3)②ベテラン受験生の勉強法
現役生の定番の勉強方法は、過去を解き、出題趣旨・採点実感を見て、できなかったところをチェックして、当該知識を補充するという流れ作業です。ところが、この勉強方法は、何度もまじめに過去問を検討した人にとっては、徐々に効果が薄れ、むしろ弊害になっていきます。すなわち、上記作業をそれなりに繰り返すと、出題趣旨の基本部分は無意識的にインプットされてしまいます。そうすると、再び過去問を解くときに、無意識的に、そのインプットされた知識を前提に、結論がわかった上で答案を書くようになります。しかし、こうした解き方は、初見の未知の問題にゼロベースで挑むという本番の状況とはかけ離れてしまっており、全く実践的な練習になっていません。それにもかかわらず、こうした答案は、それなりに出題趣旨に沿えているから、弁護士らの答案添削で良好と判断されてしまい、順調であると誤解してしまいます。そして、いざ本番、未知の問題に遭遇すれば、実践的な訓練をしていないことから、必然的に撃沈することになります。
こうした事態を防ぐため、過去問を何度も回したことのある受験生は、過去問演習の仕方を変えなければなりません。そもそも、上記の通り、本試験の問題は、初見で相対的に半分の点さえ取れれば合格するという特殊な試験です。これは言い換えると、出題趣旨の中には、できなくてよい応用部分が含まれているということです。こうした応用部分まで追って、完全な答案を目指すようになると、それはもはや非現実的な答案になってしまっています。そこで大切なのは、過去問をゼロベースで思考し、現場の多数派の思考を意識して、問題の基本部分と応用部分を見極め、複数の再現答案と比較しながら、基本部分の方で点を稼ぎ、応用部分はゼロベースの思考で無難に逃げられているかを確認することです。これができると、何度目の過去問演習であっても、現場感覚を磨くことができ、本番の未知の問題に対する抗体力が付きます。
(4)③国語力について
最近の司法試験は、国語力、すなわち読解力と文章力で合否が決まると言ってもいい過ぎではありません。このような能力が求められるのは、法曹になってからもずっとそれが大切だからだと思います。そのため、国語が不得意な方がいたら、かなり合格のハードルが高くなることを認識して下さい。自分は、例えば適正試験で、50点前後の国語力しかなかったため、かなり苦労しました。まず、読解力について、司法試験の問題文の量は多いですが、その分、当事者の生の主張がヒントとして書かれていることに気付きました。つまり、問題文にほぼ答えが書いてあるということです。こうした意識を持つようになってから、自分の読解力不足が合格するために致命的であることに気付きました。そこで、私は、昔から活字に触れてこなかったことがその原因と考え、3回目の合否を待っている期間中は、勉強の傍ら法律に関係のない本を50冊くらい読みあさりました。このおかげかはわかりませんが、4回目のときは読解の苦手意識はほぼなくなっていました。次に、文章力について、自分は書きながら止まってしまうこと多かったため、再現答案の日本語の書き方を分析しました。そうすると、流れのいい答案には、一定の型があることに気付きました。例えば、使っている接続詞は、因果を示す「そうだとすれば」、順接と逆の因果を示す「なぜなら」、同じことを端的にいう「すなわち」、同じことを膨らませていう「具体的には」、譲歩してから反対する「確かに、しかし」、並列的につなげる「また」「さらに」「しかも」などと決まったものに限られていることに気付きました。また、「・・ことから、結論。」というように文を着地させる前に、一定の言い回しが使われていること、言い換えると、着地させる前には「・・であり、」と書き、「・・から、」を温存していることに気付きました。さらに、明確な文章は、主語が短く句読点で区切られ、しかもその主語だけを追えば、文章のロジックが伝わる文章だということにも気づきました。その他にも、一文につき一センテンスであることや、論理が飛躍しそうなところには、一言解釈や評価を架け橋として挟ませてあげる等々、様々な型を発見することができました。そして、こうした型を真似ることで、文章力が格段に上がりました。このように、国語力不足の改善には、法律から離れた地道な努力も必要になると思います。

5  学部時代を振り返ると

私は、大学3年次から、経済学部と司法試験予備校のダブルスクールをするようになりました。今振り返ると、このときが一番がむしゃらに勉強していたと思います。周りもそうでした。なぜなら、今では司法試験に合格するだけでも大変な上、そのあとに就活から始まる過酷な競争が待っているという共通認識があったからです。そして、印象に残っているのは、一緒に目指していた友達らが、現役で希望するロースクールに受からないならば、法曹を諦めて通常の就職活動に切り替えるという誓約の元で日々勉強をしていたことでした。
彼らはとても先見性があり、早い段階から自分の将来のリスクマネジメントをしていたのだと思います。
また、大学の特色でもありますが、自分の大学は、個々が情報に敏感な上、学生間の連携意識が強く、試験情報の収集・共有がとても早かったと感じます。

6 おわりに

司法試験は、精神的にとてもつらい試験です。ですが、自分の場合、試験に合格することがゴールではなく、その先に、群馬に活力を生み出したいという明確な目標があったため、比較的前向きに取り組むことができました。目標に近づくには、前に進むしかないので、ストレス等に嘆くのではなく、それを速やかに解消する手段を常に模索していました。例えば、自分はギターやスポーツをやっていたので、これらで息抜きをしていました。また、時間がないときは、30分カラオケにもよく行きました。これはお勧めです。その他にも、スポーツ選手やオリンピック選手のメンタル・モチベーション維持方法を本から学び実践したりもしました。耳から聞くだけで、癒される、やる気が湧いてくるお気に入りの歌もありました。そして、何より、閉鎖空間に閉じこもるのではなく、様々な人とのつながりを大切にすることで、結果として、そうした人らが手を差し伸べて下さっていたのだなと感じています。
最後になりますが、読者の皆様にとっても、司法試験で悩んだ日々が人生にプラスに作用することを祈っております。                       以上