ブックタイトル暴力団排除に関わる法規制

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概要

暴力団排除に関わる法規制

- 4 -もっとも、九州地方では暴力団との関係遮断を図る企業や市民が拳銃や手りゅう弾で襲われたり、五代目工藤會を専門に捜査する北九州地区暴力団犯罪捜査課の元警部が銃撃されるなど凶悪事件も未だ発生している状況にある。このような状況を改善すべく、暴対法改正や全国各地での暴力団排除条例の制定により規制取締が強化され一定の効果を上げている反面、資金活動が行えなくなった暴力団の犯罪の地下組織化も懸念されており、特に東京都暴力団排除条例施行後においてはその傾向が強まっている可能性が高い。第2 暴力団排除に関わる法規制等1 暴対法以前暴対法施行以前における暴力団排除に関わる法規制としては、刑法等の一般の刑罰法規の他、集団的犯罪行為を対象とした「暴力行為等処罰ニ関スル法律」などが存在したが、暴力団の資金獲得活動の多様化・巧妙化や暴力団同士の抗争激化によるによる一般市民への影響が拡大する中、昭和60年代になると、暴力団対策の強化が求める世論が高まっていった。2 暴対法そうした世論の高まりを受け、我が国において、初めて法律上暴力団を反社会的団体と位置づけ、これに対する法規制を正面から行ったのが、平成4年3月1日に施行された暴対法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)である。同法は、上記のような世論の高まりを受け、平成3年、「暴力団員の行う暴力的要求行為等について必要な規制を行い、及び暴力団の対立抗争等による市民生活に対する危険を防止するために必要な措置を講ずるとともに、暴力団員の活動による被害の予防等に資するための民間の公益的団体の活動を促進する措置等を講ずることにより、市民生活の安全と平穏の確保を図り、もって国民の自由と権利を保護すること」を目的として、暴対法が制定・施行されている。暴対法の規制内容としては、対立抗争時の事務所使用制限や、従来の一般的刑罰法規には触れない程度の軽微な類型の暴力的要求行為等に対する中止命令等の行政的措置を行うことを可能とした点等に最大の特徴があった。以降暴対法は、数度の改正を重ね、暴力団による暴力的要求行為等を広く規制する内容となっており、近時の平成24年改正では、特定抗争指定暴力団等の規定の追加(暴対法15条の2~4)、指定暴力団の不当要求に対する規制の強化及びその防止措置の導入(暴対法9条10号、12号、15~18号)、適格団体に