ブックタイトル暴力団排除に関わる法規制

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概要

暴力団排除に関わる法規制

- 6 -暴力団排除条例は、条例という法的拘束力を有していることに加え、東京都条例を例にすれば、「利益供与」(24条)、「助長取引」(18、24条)といった排除の対象を明確にするとともに、「勧告」(27条)、「公表」(29条)、「命令」(30条)、罰則(33条)が定められるなど、違反行為に対する制裁も具体的に定められており、暴力団排除を実効的なものにする機能を有する内容となっている。第3 東京都暴力団排除条例1 東京都暴力団排除条例制定の理由と概要暴力団は、企業活動の形態をとり水面下で巧みに経済活動の様々な分野に浸透し、資金獲得活動を行っているが、その背景には、企業(共生者)が、積極的に暴力団の威力、資金力等の影響力を利用するなどして、暴力団と「持ちつ持たれつ」の関係を持っている。また、一方で、取引相手が暴力団関係者であることを知らずに取引関係を深めてしまった場合や、取引相手が暴力団関係者であることを知りつつ取引を止めるまでの決断に至っていない場合等も多いと考えられる。こうした事業活動における事業者と暴力団の関係が、結果として暴力団の資金獲得活動を助長していることは明らかであり、事業者による暴力団の活動を助長し又は組織の運営に資する取引(利益供与)を幅広く規制することが、暴力団の勢力拡大を阻むためには不可欠と考えられているとともに、消極的にではあるが暴力団関係者と取引関係を有するに至ってしまった上記のような企業の立場からすれば、暴排条例は関係遮断のツールとしての意義を有し、これを積極的に利用していくことが期待される。暴排条例は、かかる目的から、事業者との関係では、①「共生者」や暴力団との関係遮断のための規制に従わない事業者については、行政命令等一定の措置を設けることによりこれらの抑止を図る。②暴力団関係者との取引を自主的に拒否する意思を有する事業者に対しては、保護措置や情報提供による援助を行う。③取引相手が暴力団関係者であることを知らずに取引関係を深めてしまった場合や、取引相手が暴力団関係者であることを知りつつ取引を止めるまでの決断に至っていない場合に対しては、暴力団排除条例の施行を契機に暴力団関係者との取引を自主的に拒否することを促す規定(勧告前に自主的に事実報告等を行うことで条例の適用を除外する場合-都条例28条)を設けて自主的な関係遮断を促す。こと等を主な内容として制定された。