平成28年明治大学法曹会会報を配布致しました
ご挨拶 会長黒木芳男
会員の皆様にはご健勝にてご活躍のことと存じます。
昨年6月の定期総会において、会長に選任され1年が経とうとしています。その間、同時に就任された副会長、幹事の方々、門馬博事務局長、川村篤志同次長、他事務局の方々の献身的努力、更には会員各位のご支援とご協力により、今日まで恙なく会務運営を為し得たことにあらためて厚くお礼申し上げます。
私は、昨年6月の会長就任の挨拶の中で、法曹会の充実と発展のためには司法試験の合格者の更なる増員が必要であり、その前提として、明治大学法科大学院の入学者の確保が不可欠である旨を述べさせて頂きました。
しかしながら、明治大学法科大学院の現状は非常に酷しいものがあると言わざるを得ません。平成28年度の定員は、未修40人、既修80人に対し、志願者・合格者こそ、その倍数以上がありましたが、実際の入学者は、未修9人、既修43人の計52人であり、定員の43.3%に止まりました。
合格者の多くが入学を辞退し、他の法科大学院に入学している状況が認められます。法曹そのものに対する学生の魅力が失われ、法曹への途を回避する傾向にあることが指摘されてもいます。他の法科大学院で定員を充足しているところはわずかしかないとの報告もありますが、それにしても、この状況は看過できないものと言わざるを得ません。法曹会は、大学当局と共働して、その原因究明の努力と対応策の検討をしていく必要があると考えています。
昨年9月、明治大学法科大学院教授による司法試験問題漏えい事件が明らかになりました。大学では、直ちに調査・検証委員会を設置し、委員会は、事実確認と再発防止策の策定に尽力するところとなりました。事件は、教授の個人的資質から惹起されたものであることに異論はありませんでしたが、その舞台が、明治大学法科大学院であったことからする非難は甘受せざるを得ず、このことが法科大学院入学者の減少に影響したとの見方も有り得るところかと思われます。
しかしながら、いつまでも、その影をひきずっていくことは許されません。多くの先人達の努力により築きあげられた我が明治大学法曹会を確固たるものとして、後から来る人達に引き継ぐことが私達に課された責務であると考えています。歴史は、苦難を乗り越えてこそ、真の喜びに到達することを教えています。校歌にある高き理想の道を雄々しく進んで行きたいと思います。会員諸先生の更なるご協力ご支援を心からお願いしてご挨拶と致します。
事務局長に就任して 明大法曹会 事務局長 門馬 博
毎日明治大学を思わない日はありません。朝起きて明大法曹会のHPを開き明治大学校歌を聞きます。今年の司法試験の結果はどうなるのだろうか。就任して10か月、何故か悲観的な予想しか浮かんで来ません。合格発表日、9月6日は刻々と近づいてきます。法科大学院の入学者はさらに減少し52名(昨年88名 定員120名)です。法制研究所、法科大学院、法曹会各々努力しているのは理解できますが、将来が見えてきません。
個人的な意見ですが、合格者の増加、合格率のアップは三者一体となり明治の受験生に合格する具体的方法を端的に教えることに尽きると思います。受験教育の主体である法科大学院について文部科学省の答練等受験指導に偏ってはいけないという方針が重くのしかかっているように見受けられます。確かに、法曹資格の授与、法科大学院設置認可、大学院の経済的補助は行政権の権限です。しかし、司法試験受験に関してどのような法学教育を行うかは、各大学の独立自治権、学問の自由(憲法23条)から、憲法上固有の権利を有する各大学に決定権があると思います。校歌、「権利自由揺籃」「独立自治」は単なるお飾りでしょうか。明治大学建学の精神 「権利自由」は今こそ思い出すべきではないでしょうか。よく「ほかの大学もやっているのだから受験指導をすべきである。」という話を聞きます。他の大学がやっていようといまいと、明治大学は独自に、法曹教育を行い合格法を伝授する固有の権利を持っているのです。誰に遠慮がいるでしょうか。岸本辰雄先生他、明治法律学校建学135年、法曹2000名を育て日本法曹界の一翼を担ってきました。この憲法上の権限を行政権といえども尊重しなければならないはずです。現状打開の第一の方法は、法曹教育理論を確立し自信をもって明治独自の法曹教育、受験指導を行うことです。その上に立った方法論も必要です。自ずと道は開けるはずです。他大学のことはわかりませんが、他大学の指導者も同じ理論に立っていると思われます。
以上
明大法曹会ホームページ更新のお知らせ 明大法曹会 事務局次長 川村 篤志
昨年、明大法曹会ホームページ開設のご案内を致しましたが、内容をより充実させるため以下の通り、更新並びに新規コンテンツの掲載を行っております。
まず、平成27年12月、明治大学WEBサイトから明大法曹会HPがリンクされました。これにより、個々の明大校友に対して、明治大学及び明治大学法科大学院出身法曹の活動をアピールできることとなりました。従来、明大校友に対する明大法曹会のアピールとしては、全国校友大会への会長もしくは事務局長らの出席に留まっていました。しかし、法曹会HPが明治大学WEBサイトにリンクされたことで、個々の校友に対してより直接的にアピールできる手段を手に
入れたことになります。
次に、法曹会新規会員に対する支援として、司法試験合格者に対する実務修習サポート制とサポート会員名を掲載しました。実務修習サポート制とは、1年間の実務修習期間に、実務修習中のすべての事項について、修習生が法曹会会員から直接アドバイスを受けることができる制度です。
現在、48名の会員がサポート会員として登録しています。
これにより新規会員の明大法曹会への帰属意識、法曹会活動に対する関心を高めることができると期待しています。
また、将来の明大法曹会会員へのサポートともいうべき、司法試験合格体験記の掲載を始めました。これは、明治大学並びに明治大学法科大学院の学生に対して、司法試験合格への道標を示すものであり、明大法曹会の会員増加に資すると考えています。
さらに、各地方単位会所属の明大法曹会会員の活動紹介、求人情報の掲載及び会員事務所HPとのリンクのご希望も引き続き募集しております。所属単位会での明大法曹会の活動の告知又は所属単位会の紹介文を執筆ご希望の会員は、川村までFAX(FAX:044-211-0677)にてご連絡をお願いいたします。
なお、会員用頁において、明大法曹会名簿を公開しておりますが、事務所住所の変更等がありました会員は、お手数ですが同封の書面にてお知らせください。