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司法試験予備試験合格体験記 私の予備試験合格法

石川 かおり

〒 102-0083
東京都 千代田区麹町3-7-4
秩父屋ビル5階
新町法律事務所
☏ 03-3234-0511
FAX 03-3234-0510

 
 

( 私は明治大学出身者ではありませんが,在籍している法律事務所の所長である福島啓充弁護士が明治大学法曹会会員ですので,私の体験記が少しでもお役に立てるならと思い,執筆させていただきました。)
 
 

1 経歴

(1) 名前(フリガナ):石川 かほり(イシカワ カホリ)
(2) 予備試験・司法試験合格年度
   予備試験:平成26年度(1回目受験)
   司法試験:平成27年度(1回目受験)
(3) 出身大学・法科大学院
   創価大学法学部 平成25年卒業
   創価大学法科大学院既修者コース 平成27年9月(司法試験合格時)退学
(4) 旧司法試験受験歴:短答0回/論文0回
(5) 修習69期 現在弁護士1年目
(6) 予備試験の成績
  ・短答式:180点(1214位)
  ・論文式:241.72点(97位)
   憲法C,行政法A,民法A,商法A,民訴法A,刑法B,刑訴法E,一般教養C,実務基礎科目A
  ・口述:122点(17位)

  

2 予備試験志望の動機

 私は,法科大学院を修了して司法試験を受験するつもりでしたので,当初は予備試験を受験する予定はありませんでした。しかし,家庭の事情から法科大学院を休学し修了が遅れることとなったため,少しでも早く実務に就きたいという思いと,一緒に勉強してきた同期の友人らと共に司法試験に合格したいという思いから,予備試験を受験することにしました。

  

3 予備短答式の勉強方法,司法試験との違い

(1) 予備短答式の勉強方法

 短答式対策は,受験前年の10月頃から始めました。
 主に法科大学院の通学時間(往復3時間)に,予備校が出している体系別の過去問集を使って新司法試験の過去問を解きました。肢の正誤理由をきちんと理解しながら解くことが重要であると考えていたので,解説が丁寧な過去問集を選びました。
5月の試験までに,全科目の過去問を2~3周しました。もっとも,私は学部生の頃から折に触れて短答式の過去問を解いていたので,その頃から数えれば,予備本番までに全部で5~6周は回していたと思います。
 私は,暗記が得意なこともあり,過去問さえ回せば点数が取れると思っていたので,周囲の受験生がやっていたような判例六法や択一六法へのまとめは行っていません。ただ,自分がよく間違える問題をノートにピックアップしておき,試験直前に重点的に復習できるようにしていました。
一般教養の短答式対策は特にしていません。もっとも,その場で考えて正解できる問題も多いので,過去問等を見て,どの系統の問題で点数を取りたいのか,イメージを掴んでおくことは大事だと思います。

(2) 司法試験との違い

 短答式のレベルは,実際8割の問題が共通して出題されていることもあり,予備も司法試験も変わらないと思います。
 ただ,私が司法試験を受験した平成27年から,短答式が7科目から3科目に変更になったため,旧司法試験のような細かい知識が聞かれる可能性があると思いました。そこで,私は,司法試験の直前期には,新司法試験の過去問のみならず旧司法試験の過去問も解きました。もっとも,実際に平成27年の司法試験を受験した感想としては,旧司法試験の過去問まで必須というわけではないように思います。

  

4 予備論文式の勉強方法,司法試験との違い

(1) 予備論文式の勉強方法

 短答式試験の合格発表後,予備校が出している合格者答案集を使用して過去問検討を行いました。まず20分時間を計って答案構成を行い,その後,合格答案と見比べながら構成の良し悪しを検討しました。また,評価の高い答案と低い答案を見比べて,何が評価を分けたのか,合格するために最低限落としてはいけない記述は何かを考えました。論文式前は,法科大学院の授業で忙しかったため,過去問の答案はほとんど書いていません。
 過去問検討以外は,法科大学院の授業を受け,予習・復習や課題をこなしていただけで,論文式対策のために特別な勉強はしませんでした。というのも,授業で新司法試験並の事例問題を扱うことが多く,また,実務基礎科目の授業もあったため,授業を受けることがそのまま論文式対策に直結したからです。一般教養の対策も特にしていません。
 予備で問われることはあくまで基本的なことなので,穴がないように幅広く勉強することが重要だと思います。もし私が学部生で,自分自身で論文式の対策をしなければならなかったとしたら,旧司法試験の過去問を使って演習を積んだと思います。また,一般教養は,本番でも何を書けばよいかがわかりませんでしたが,法律科目と同様に出題の趣旨はあるので,できるだけ出題趣旨に迫れるようにということを意識だけはしていました。

(2) 司法試験との違い

 予備と司法試験の論文式は,試験時間や問題文の量等大きく違うところもありますが,基本事項が書ければ合格できること,思考力が試されていることは同じだと思います。実際,平成27年の司法試験を受験した際,予備と問題意識が似ていると感じました。
 そこで,司法試験の対策も,予備対策と同様,過去問を分析すること,基本事項に穴がないように勉強することが重要であると思います。

  

5 口述試験の勉強方法
 口述対策は論文式の合格発表後からでも間に合うと聞いていましたし,法科大学院の授業で忙しかったこともあって,論文式の合格発表後から対策を始めました。もっとも,授業で実務基礎科目を勉強していたため,それはそのまま口述対策につながりました。
 論文合格後すぐに,予備校の口述模試の申込みをしました。余談ですが,口述模試は定員が少なく,すぐに募集が締め切られてしまうため,合格がわかった直後に申込みの手続をすることをお勧めします。模試を受けることで,本番さながらの緊張感を体験するとともに,本番までに何を対策すべきかの見通しを立てることができました。
 その後,本番まで下記の勉強をしました。
 ・合格者が作成した口述再現の分析(予備校が配布しているものや合格者のブログ等から集めました。)
 ・実務基礎科目の授業の復習
 ・旧司法試験の口述過去問(刑事のみ)
 ・『完全講義 民事裁判実務の基礎(上巻)』(要件事実対策)
 ・『民事第一審手続の解説』
 ・『入門刑事手続法』
 ・『基礎からわかる民事執行法・民事保全法』
 手続法を中心に勉強しましたが,過去問を見ると実体法からの出題も多かったため,不安のあった刑法については各論の基本書を読み直したりもしました。
本番はとても緊張しましたが,試験官が必ず解答を誘導してくれるので,それに素直に従って答えることが重要だと思います。

  

6 これから予備試験を目指す方へのメッセージ

 私は,法科大学院の授業を受けながら予備試験に合格しましたが,より勉強期間の短い学部生でも最終合格している人が何人もいることを考えると,合格に必要なレベルは必ずしも高くないのだと思います。過去問を解いて合格者の答案を読み,最低限何を習得していれば合格できるのか(知識だけでなく,答案の書き方等も含む)を分析することが重要です。約半年間にわたる長い試験ですが,どうか最後まで頑張ってください。

以上
(平成29年5月執筆)
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