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司法試験合格体験記 私の司法試験合格法

大和田 準

 

1 簡単な経歴・法曹志望の動機

 2014年 明治大学法学部卒業
 2016年 慶應義塾大学法科大学院卒業
 2016年 司法試験合格
 
 私が法曹を志望した動機は、明治大学の法律相談部に所属し相談活動をする中で、自らの法的知見を活かして相談者に喜んでいただけたことが嬉しく、やりがいを感じたことにあります。私の学習方法は、法律相談部をはじめとして学習する機会に恵まれた中で、周囲の先輩や友人等に教わって自然と身についたものです。そのため、独自に工夫した勉強方法は少ないですが、以下にご紹介させていただきます。
 

2 短答の勉強方法

 とにかく過去問を解きました。その上で、出題された部分について必ず六法と基本書で確認しました。さらに、基本書の該当部分の記述に線を引き、出題年数を書き込むことで、再度基本書を読んだ際に、該当部分が過去に出題されたことがわかるようにしました。そうすると、基本書を読んだ際に短答試験で頻出の部分が一見してわかりやすくなるため、短答試験で頻出の部分は意識的に読むようになりました。また、出題部分の記述に線を引くためには、出題された部分の周辺部分も併せて読んで、どの部分に線を引くか探す必要があるため、過去に出題されていなくても、頻出部分の周辺部分の理解が自然と深まっていきました。そのため、過去に問われたことがない部分もある程度対応できるようになっていきました。
 また、私はわからない設問に当たると考え込んで時間を浪費してしまうタイプだったため、短答試験では常に時間切れの不安を抱いていました。そこで、短答式試験が3科目に変更された年の過去問や模試では、わからない問題は回答を留保して次の問題に進むという判断力を身に着けるよう意識して取り組みました。

 

3 論文の勉強方法

 実際に答案を書いて勉強しました。明治大学の法制研究所で個別の添削指導を受けた他、ロースクール入試の過去問や市販の問題集を解く自主ゼミを組んで互いに答案を講評し合い、自分の答案を客観視してもらう機会を作りました。また、答案は書きっぱなしにするのではなく、必ず指摘を受けた部分を復習し、趣旨規範ハンドブックに一元化していました。この一元化したハンドブックは、通学の電車内で見直したり、司法試験当日も持参して直前まで読んだりして、最後まで使用しました。
 特に司法試験の過去問は自主ゼミなどで早い段階から何度も繰り返して解いていました。過去問は最良の教材ですし、一度解いたからといって二度目に解いてみても完璧な答案が書けるようになっていることはまずないので(特に時間制限を設けて解くとその傾向は顕著でした)、直前期まで溜めようとせず何度も解くことが有効な対策になると思います。
 また、ロースクールの授業や定期試験も予習より復習に力を入れ、わからなかった部分を埋めることを徹底しました。司法試験では、得意科目で高得点を狙うことは難しく、苦手科目をなくして全ての科目で平均点を目指す方が合格に近づくため、穴になっている分野を作らないように心がけていました。

 

4 ロースクールの授業終了後から司法試験までの勉強

 授業がなくなると生活リズムが乱れがちになるので、自主ゼミ等で強制的に勉強する環境を作っていました。ただし、自主ゼミは机に向かって自習するより学習効率は悪いので、自分の課題を把握する目的で行っていました。その意味では、自分で課題を把握して計画的に勉強できる人は自習中心のスタイルでもよいように思います。生活リズムを整えるという観点から自主ゼミ等でスケジュール管理を図るのは有効だと思います。
 他方で、司法試験1か月前にあたる4月以降はあまり長時間の勉強はしませんでした。むしろ、早寝早起きして三食しっかり食べるなど、生活リズムと健康の維持に努めました。体調を崩して実力を発揮できないのは後悔しますし、試験は午前9時前後に始まるので、その時間に頭が回転するように夜型の生活リズムから朝型の生活リズムに変えるよう意識していました。
そしてこの時期は新しい事項の勉強はほとんどせず、模試の解説や今までの勉強内容を一元化していたハンドブックを読み返しました。この時期に新しい教材に手を出すと、知らないことはいくらでも出てくるので、逆に不安になってしまうと思ったからです。ただし、受験新報とハイローヤーの出題予想は多くの受験生が読んでおり的中率も相応にあるので、他の受験生と差がつかないようにするためにも読んでおくとよいと思います。
 模試は1つしか受けませんでしたが、本番の雰囲気を知ることができたため受けて良かったと思います。本番と同じ会場を設定していることが多いので、本番のシミュレーションとして道のりや昼食の購入場所等を確認しておきました。模試は自宅や予備校での受験もできますが、特に緊張しがちな人は会場受験の方が本番の雰囲気を事前に感じることができて良いと思います。

 

5 まとめ

 司法試験の受験勉強は長丁場であり精神的にも辛いことが多いと思います。他方で、そうして勉強して得た知識は法曹として活躍する上で必須のものですし、その辛い経験は難しい仕事を乗り越える原動力になり、辛い思いをしている人に共感する力にもなります。その経験は必ず役に立つので、くれぐれも健康には留意して、ときには周囲の助けを借りて、受験勉強に邁進してください。応援しています。

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