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合格体験記 私の司法試験合格法

永原 理央

 

1.経歴、法曹志望の動機

 私は中央大学法学部を卒業し、明治大学法科大学院の既修コースを修了後、1回目の司法試験で合格しました。
 法学部に入学した時から法曹への漠然とした憧れはありましたが、現実的なものではありませんでした。大学3年の終わり頃から周りは就活を始め、早い人はすでに内定をもらっていました。私は将来やりたいことも見つからず、就活から逃げるように院進を決め、4年になってから院試に向けた勉強を始めました。
 法曹志望の動機は色々ありますが、なにか極めたいなとか、家族が喜ぶだろうなとか、社会的信頼のある職に就けば結婚相手の親に反対されにくいかもなとか、たいしたものではありません。法律の勉強に抵抗がなかったし、他にやりたいこともなかったという感じです。
  

2.短答の勉強方法

 2年の間はTKC模試を在宅で受けてはいたものの、特に対策はしておらず、結果もあまり気にしていませんでした。
 3年の夏休みに民法の親族相続、刑法の罪数刑罰、憲法の統治など論文知識ではカバーできない苦手な部分を一通りやり、それ以降は通学の電車内で肢別を解いていました。気分転換に過去問を印刷して解くこともありました。手持ちの肢別が少し古かったので、直近3年分は直前期に初見の状態で時間を計って解きました。
 直前に受けたTKC模試で短答の成績が悪く足切りの可能性が出てきたので、4月は電車内だけでなく自習室でも短答を解いていたと思います。
 親族相続や統治は、条文を知らなければ解けない問題が多いので、1回目は解く前にその範囲の条文を一通り読んでから肢別を解くようにしていました。直前期は、試験前に確認したい事項をノートにメモしていました。
  

3.論文の勉強方法

 2年の冬から過去問起案のゼミに入り、2週間に1通のペースで答案を書いていました。3年からは月に4〜8通、年明けからは月に4通ほど書いていました。令和3年から平成23,4年あたりまでは一通り解いたと思います。
 最初はぶんせき本などの再現答案で構成等を確認し、論証集等を見ながら書いていました。少し慣れたら、問題を読んだ後に基本書を読んでから何も見ずに書き、3年の夏休み頃からは自力で書けるようになっていたと思います。
 ゼミの解説でメモしたことを読み直すことはありましたが、同じ問題を解き直すことはありませんでした。
 3年の夏頃から、市販の問題集を使って基本的な論点を勉強し始めました。
 問題を読んで答案構成をし、解答例と照らして不十分なところを基本書等を読んで復習していました。当てはめの仕方なども確認し、使えそうな言い回しはメモしていました。
 基本論点であれば知識として頭に入っているかもしれませんが、いざ答案として文章にしようとすると時間がかかります。一度文章化しておくと、本番でのタイムロスを減らせると思うので、基本論点こそアウトプットの練習を!
 いろいろな論証集がありますが、私は趣旨規範ハンドブックを使用し、ほとんどの論証は自分の言葉に書き換えていました。よくわからないまま丸暗記するよりも、自分の頭で考えて納得のいく形に直した方が記憶に定着すると思います。まとめるときは、答案に使える形でメモすること、試験直前に確認したいであろう事項を充実させること、を意識していました。基本書を丸ごとメモしても試験場で読む余裕ありませんから!
 

4.選択科目について

 2年の後期に特許法と著作権法の講義を取り、3年後期は過去問と問題集を授業で扱い週に1通ずつ解いていました。起案、授業、復習で毎日のように知財の勉強をしていましたが、周りを見ると選択科目は手が回っていない人が多い気がするので、やってよかったと思いました。
 知財を選択したことに特に深い理由はありませんが、自分に合っていたのでよかったです。受験者数や教材の豊富さなど違いはありますが、教わる先生との相性はわりと大事かもしれません。
 

5.最後に

 勉強法や論文の書き方は人それぞれですから、自分に合ったものを探して欲しいです。
 ですが一つだけ言うとしたら、アウトプットは早めに始めてください!インプットをちゃんとしてから、と思っていると一生終わりません。満点を取る試験ではないので、細かいことは気にせず、みんなが書けるところを自分も書けるようになることを目指してとりあえず書くことをおすすめします。
 私は一人ではすぐサボってしまうタイプなので、ゼミや授業をとって強制的に過去問を解く機会を作りました。過去問から逃げてしまう気持ちはとてもよくわかりますが、最初は論証を見ながらでもいいと思うので挑戦してみてほしいです。

以 上

 

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