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合格体験記 私の司法試験合格法

三山 晃司

1 略歴及び志望の動機

 私は、2001年に明治大学法学部を卒業し、2012年に法政大学法科大学院に入学しました。そのため、30歳を超えてからの司法試験のチャレンジとなります。高校生の頃に弁護士に憧れておりましたので、人生をやり直そうと思い司法試験を受けることにしました。

 

2 短答式の勉強方法

 短答式試験は、司法試験の4日目に行われるのにもかかわらず、論文式の足切りとしての役割があります。また、論文式試験と異なり、得点調整をされることがなく、素点そのままが司法試験の点数として加算されます。そのため、短答式試験の勉強は非常に重要であるといえます。
 もっとも、短答式の勉強方法は、多くの点で論文の勉強方法と重なります。すなわち、基礎知識の確認と、判例学習です。もっとも、短答式プロパーの問題もあります。まず、どの科目においても、論文で問われることがなく、短答式でしか問われない範囲があります。短答式と論文の過去問を解いて、どの部分がそこに該当するか確認してください。大まかに説明すると、憲法なら統治分野、民法なら連帯債務や親族相続分野、刑法なら量刑や国家的法益の罪が該当すると思われます。かかるプロパー部分については、条文構造と主要な判例を数個しっかりやって勉強すれば怖くありません。時間のない方は、条文を素読するだけでも確実に実力は上がります。条文の素読は、論文式の勉強方法としても非常に有効です。短答式に苦手意識のある方は、最初から最後まで条文を素読してみてください。読む前と後では実力が格段に違っているはずです。
 次に、問題を解く際は、過去問を解いてください。予備校から出ている短答対策の演習本は、ほとんど過去問です。それ以外の問題は解く必要がありません。司法試験の短答式は、あまりいやらしい問題は出ていませんので、問題の傾向を掴んで下さい。また、司法試験の短答式は、時間が足りないということはあまりありません。普通の速度で解くことができれば、あとは、問題の肢毎に◯×ではなく、理由を検討してください。その肢の理由が答えられなければ、その肢の知識は不十分なものとなりますので、解説を読んで確認してください。そのため、私は、辰巳法律研究所から出ている肢別本をお勧めします。アプリもありますので、手軽に勉強ができます。私は、最終的に、肢別本のアプリと条文素読のみで条文を突破しました。
 

3 論文の勉強方法

 論文は、設問における問題点(論点)を発見し、規範を組み立て、事案に当てはめる作業が必要になります。
まず、問題点の発見には、基礎知識が必要となりますので、基本書等でしっかり知識を補ってください。また、問題点においては、なぜ当該事案において問題になるのか理由を示さなければ説得力がありません。そのため、どういう経緯で問題となったのか、しっかりと論述することを心がけてください。答案を見ても、上位答案では書けている方が多いですが、下位答案や不合格答案ではほとんど書けていないというのが、私の印象です。
 次に、規範は、制度趣旨から論述する必要があります。よく論パを覚えるということを耳にしますが、論パは覚えなくても大丈夫です。覚えるなら汎用性の高い制度趣旨を覚えてください。制度趣旨をしっかりと論述することができれば規範部分が多少間違えていても、説得力は増します。私は、暗記が苦手でしたので、なるべく覚えることを少なくするように工夫していました。
 最後の当てはめ作業は、なるべく近い判例の判旨と同様の当てはめをすることが理想ですが、本試験中にそこまでできる人は中々いません。しかし、普段から判例がどのように当てはめを行なっているのか意識しながら読んでもらえれば、自然と判例の当てはめに近い論述ができるようになると思われます。
 そして、論文では、言うまでもなく、実際に時間を測って問題を解くことが重要です。P Cで答案を書く人を見かけますが、本試験ではボールペンか万年筆しか使用できませんので、論外です。必ず手書きで、仕上げるようにしてください。
 私は、1日少なくとも、1通は答案を書くようにしましたが、おかげで書くスピードが上がり、本試験のように答案を一度に2・3通書いても、手が疲れにくくなりました。
 

4 さいごに

 司法試験は、勉強を始めてから数年合格までかかる試験です。そのため、普段の勉強をどのように過ごすのか非常に重要になります。私の優秀な友人は、法科大学院の期末試験の直前のみ勉強して普段あまり勉強しなかったため、司法試験に合格できませんでした。司法試験は、決して難しい試験ではありませんが、覚えることが多く、ある程度のレベルに達するまで時間がかかります。息抜きは必要ですが、普段からしっかり勉強して本番まで気を抜かないようにしてください。年を越えた1月から本試験の5月の間は、みんなが勉強します。そのため、ここでどれだけ勉強しても、あまり差はつきません。しかし、遅くとも、9月から12月にきちんと勉強すれば、かなり他の受験生に差をつけることができます。まだ時間があるという考えではなく、もうこれだけしか時間が残っていないという意識で、普段から勉強するようにしてください。そうすれば、必ず司法試験に合格できます。
後輩の皆さんの合格を期待しています。

以上

 
 

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