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司法試験合格体験記 私の司法試験合格法

福島 正浩

1-1経歴

 2009年 明治大学付属中野八王子中学校   卒業
 2012年 明治大学付属中野八王子高等学校  卒業
 2016年 明治大学法学部法律学科      卒業
 2018年 中央大学法科大学院        卒業
 2018年 司法試験             合格
 

1-2法曹志望の動機

 中学生の時冤罪事件を取り扱った映画を見て、将来弁護士となり冤罪事件を少しでも減らせる取り組みができたら、と考え法曹を志しました。また法律は社会の仕組みを担っていることから、法律を学んで無駄になることはないだろうとも考えていました。
 

2短答式の勉強方法

(1)勉強方法の注意点
(※要点は太文字でまとめてあります。時間がない方、要点だけ知れれば良い方は太文字をお読みください。)
 まず注意をしておきますと、以下に記します勉強法はあくまで私が実践した方法です。これが唯一の正解ではありません。他の方の勉強法等も吟味したうえで自己に適した勉強法を選択してください。
 
(2)具体的方法
 短答式の勉強法は、過去問を何周も繰り返すことです。新司法試験が開始された直後は短答式についても十分な過去問が存在していませんでした。しかし、現在10年分以上の過去問が存在しています。過去問は、言わば公式問題集であって、これ以上良質な問題は存在しておりません。良質な問題が十分量存在しているのですから、過去問以外やる必要はないと考えています。
 
(3)過去問集か肢別本か
 では次に、どの問題集を使えばいいのか。いわゆる過去問集か肢別本かという問題です。これに関しましては、正直どちらでもいいというのが結論です。ですが、私は肢別本を用いていました。理由としましては、私が面倒くさがりやだからです。
 短答式民法の過去問を解いたことがある方ならお分かりでしょうが、短答式では全ての肢がわからずとも正解することができます。しかし、それでは本番で使える知識・能力とはなりません。確かに、短答式では論文で使えるほどの深い知識はいりません。もっとも、肢が間違っている場合に、どこがなぜ間違っているのか理解していなければ、本番の問題に対応できません。したがって、過去問集でも一つ一つの肢を大切にしていれば問題はありませんが、そういった意識が希薄になってしまう方には肢別本をお勧めします。
 なお、肢別本には旧司・オリジナルの問題がありますが、それら問題は上記の理由から飛ばしてしまって構いません。私は飛ばしましたが、短答通過者平均程度の得点率でした。
 
(4)肢別本の使い方
 次に具体的な肢別本の使い方です。月並みな方法ですが、以下のとおりです。
 まずは1周解きます。その際に合っていた肢には丸をつけ、間違っていた肢にはバツをつけ、合っていたが理由づけが不安な肢には三角をつけ、といった方法です。その後は間違った肢・不安な肢の理由づけを確認、再度もう1周解き、丸バツ三角と同じ作業を繰り返します。3周目も同様です。そして3周繰り返しても間違える不安な肢というのは自分が覚えづらい、よく理解していない分野ということですから、判例六法で確認・マークしておいて試験場で確認できるようにしておきます。このようにして、最終的に肢別本から自分の苦手な分野を洗い出し、判例六法に集約していくのが良いと考えています。
 

3 論文式の勉強方法

(1)論文式の注意点
 論文式の勉強方法についても、まずは私なりの注意点を述べたいと思います。それは知識偏重にならないように、ということです。
 私は司法試験受験に際し、情報収集をインターネットでおこなっていましたが、多くの方が司法試験は知識量で決まる試験ではないと言っていました。これは司法試験を受けた後、現在でもそのとおりだと考えています。司法試験は法曹になる素質があるか、受験生がリーガルマインドを有するかどうか判断するための試験です。これを読んでいる方は、この点ご注意いただければと思います。
 
(2)具体的方法
 では具体的な勉強方法について述べていきます。論文式試験は司法試験の山場です。ここでいかに点数をとるかで合否が決まります。そのために最善と思われるが、司法試験の過去問を解いて、実際に書くことです。私は司法試験の過去問を解く以上に論文式に役に立つ勉強はないと考えています。なぜなら、上述のように司法試験の過去問はいわば公式問題集だからです。司法試験の過去問は、みなさまが実際に受けられる問題に最も近いものであって、考査委員の出題趣旨・採点実感、点数がつけられた再現答案で分析が可能なものです。これをやる以上に司法試験合格のために力がつく方法はありません。
 次に、司法試験の過去問をどのようにして解くか。基本的には、入門講座・基礎知識のインプットが終了した方は、2時間計り六法のみを頼りに書いてください。私はロースクール2年次から友人2名と定期的に、この方法で答案を書いていました。なぜ、このように言うのかというと、本番が同じ状況だからです。司法試験の問題は、多くの事実から一定の法律構成を用いて一定の結論を出すものです。当然書きたい事全てが書けるものではありません。それに備えて2時間計って同じ状況の訓練をする必要があるのです。また、知識不足から色々と参照して書き上げようとする方も多いと思います。私もそうでした。しかし、本番を想定してみてください。選択科目を入れて8科目全て知っているなんてことはありえません。本番で参照できるのは六法だけです。知らない問題に対し六法のみを頼りにも問題を解く、これがもっとも本番で使える力です。
 
(3)過去問を解いた後
 次に司法試験の問題を解いたあとについてです。私は、友人たちと2時間計って解いたあと1時間ほど各自で出題趣旨・採点実感及び再現答案を分析し、お互いの答案を添削しあっていました。その際の注意事項としては、細かい法律論に入らないということです。深い学説の理解は、司法試験合格という観点からは不要ですし、学生同士がいくら話し合っても意味がありません。日本語として意味がわからとこや、いきなり理論が飛んでいるといった、読んでいて突っかかりを感じる部分の指摘をしていました。
 
(4)基本書・演習書について
 論文式の勉強方法から少し横道に逸れますが重要だと思うので基本書等について触れておきます。
私は学部1年から勉強始めロースクールを出て、司法試験に合格しました。その間沢山の基本書・演習書を読みました。しかし、今思い返してみると基本書や演習書で学んだことのなにが残っているかというと非常に少ないです。なぜこのようになったかといいますと、目的意識が希薄であったからではないかと考えています。私はむやみやたらに色々な本に手を出し通読していました。確かに、本を読む行為は一見すると自分は勉強をしている、と思わせてくれるものです。しかし、目的意識のない通読は頭に残らず記憶にも定着しないうえ、活用もできません。このような事態を避けるためには、基本書・演習書を読む際には何か目的意識をもって読むことです。具体的には過去問を解いたあとに、書けなかった部分のタームを読んで基本的な理解を定着させる等といった使い方です。このように、いわば辞書的に用いるのが良いのではないかと考えています。
 

4 その他合格に役に立つと考えている方法

(1)情報収集の重要性
 司法試験に限ったことではありませんが、目的達成のためには多様な手段があります。自分に適した手段を探すために情報収集は大事です。友人を頼る、インターネットを活用する等しましょう。
 
(2)目的意識の重要性
 これを読んでいるのは主に学部生・法科大学院生であると想定していますので、その方々に向けて助言をします。あなた方が目指しているのはなんでしょうか。それは司法試験に合格することではないでしょうか。学者になりたい方が多数ではないと思います。それにもかかわらず司法試験合格に役に立たない勉強、遠回りな勉強をしている方がいるのではないでしょうか。目的を忘れないでください。常に目的を意識してください。目的を忘れないでいれば必ず合格できます、明治大学OBの一員として応援しています。

 

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