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合格体験記 私の司法試験合格法

瀬川 将平

 

1 経歴・法曹志望の動機

 私は、静岡県は三島という、古くは源頼朝が平氏打倒の旗を掲げた三島大社が鎮座する地の出身です。2016年4月より明治大学の法学部に進学することになり上京しました。学部在学中は戦前から続く法律相談部に所属し、臨床法学の実践に努め、件数としては最も多い年で約100件の一般民事事件に関する相談に関わりました。また、学部時代のゼミでは中舎寛樹先生の下で民法の財産法分野の学習に努めました。さらに、阿部力也先生の下では刑法のイロハを教えていただきました。
 2020年の3月に学部卒業後は、同年4月から一橋大学法科大学院の既修コースに入学し司法試験突破のために勉強に励んでおりましたが、令和2年度司法試験予備試験に合格し、続いて令和3年度司法試験に合格したため中退し、今に至ります。
 法曹志望の動機は他の方々のような立派なものはございません。法曹志望の理由のひとつには昔から理系科目に苦手意識があり、他方で文系科目はかなり得意に感じていたことから文系最高峰の試験の一つである司法試験に挑戦してみようと思ったことがあります。もうひとつには法曹に対し漠然とした憧れを持っていたことにあります。
 また、高校在学時の進路相談で法曹の志望に難色を示されたため、これが却って原動力となり志望をより強める結果となりました。その後、上述の法律相談部の活動を通じて多くの弁護士の先生方、裁判官、検察官の方々とお話しする機会があり、それぞれの人が自らの法曹としての職務に誇りをもって力を尽くしていることを知り、法曹への志望が具体的で明確なものとして高まっていきました。
 具体的な理想像を思い浮かべるには未だ至っていませんが、自らの職務に誇りをもって知性と礼節さを備えた法曹になることが私の現在の目標です。

 

2 短答式の勉強方法

 短答式の勉強方法は基本的に基本書や参考書の記述をじっくりと理解できるまで何周も読むという勉強をしていました。短答の問題形式は予備試験で何度か解いていましたので基本書や参考書を読みながら、「ここで問題を作るならどんなものになるかなぁ」と考えながら読むこともありました。これは、バラバラの知識よりも一連の繋がった知識の方が、汎用性が高いと考えたことと、論文式試験対策をも兼ねてそうすべきだと考え至ったためです。
 そのような勉強をしたうえで、司法試験4か月前から本格的に短答の問題集に着手しました。短答の問題集は毎日、ノートの見開き半ページ分の行数である35問を必ずやることに決めて、間違えたところは何故間違えたのか理由を考えて、勉強不足による不正解であれば解説や基本書を見返すようにしていました。
 もともと基本書を根気よく読んでいたおかげで多くの問題は正解することができましたし、不正解の問題も知識が不足しているというよりは問題文を正しく読めていない、問題へのアプローチの仕方を誤っているということが多かったため問題集を3周程度するうちに独特の形式や文章に慣れることができ、点数が安定するようになりました。
 よく、短答は問題集を何度も回せば点数が採れるようになるという話を聞きますが、単にたくさん解けば良いというわけではなく知識を習得しなければ意味は無いと思いました。何度も問題を解くだけで得点率が安定する人は元から高得点を取るに足りる知識を習得しているか、問題を解くだけではなく解説や基本書の記述を読み返してその都度知識の定着を図っている人だと考えたため、とりあえず問題を何度も解けばいいという考えは早いうちに捨てました。少なくとも意味のある勉強を自分なりに考えた結果、上述の勉強方法となったということです。
 結局本番では短答式試験で147点を獲得し、ややアドバンテージを採ることができたのであながち間違った勉強方法ではなかったのではないかと考えています。

 

3 論文式の勉強方法

 論文式についても短答と同様に何度も根気よく同じ基本書や参考書を読むことを基本的な勉強として行い、週に何回か司法試験の過去問を起案し友人と組んだ自主ゼミで添削し合うようにしていました。また、いわゆる論証パターンを暗記するような勉強は行っておらず、決まりきった文句以外はキーワードのみを覚えて、その問題に応じた柔軟な論証ができるように努めていました。
 自主ゼミの検討の際にはきちんと時間を図って解くように心がけていましたし、時間が超過しても最後まで答案は書ききるようにしました。これは時間を図らなければ緊張感に欠ける反面、時間を遵守するあまり途中答案で自主ゼミの添削に提出するのでは勿体ないと感じたためです。
 論証パターンの暗記に頼らないようにしたのはただでさえ少ない試験時間に論証を思い出すことに時間を使うのが無駄だと感じたことと、目の前の問題に意識を向けるべきなのに論証を思い出すことに意識を向けてしまい具体的な検討が行えなくなることを危惧したことにあります。また、実際の試験現場で覚えてきたお利口な論証パターンを綺麗に張り付けることは困難な事であるのに、論証パターンを綺麗に吐き出せないと答案に対する不安感が増大するのも司法試験対策として好ましくないと感じました。
 基本書や参考書を読む際はこれらのことを考えたうえで、常に論証を意識してキーワードや良いセンテンスを探しながら何週も何週も読みました。結局、同じ基本書・参考書が自分の体になじんで、最初に比べスラスラと意味を理解して読めるようになったと感じたときにはある程度はまともな答案が書けるようになりました。

 

4 その他合格に役立つ方法があればその方法

 精神的なものになりますが、結局自分らしさが大事な試験であるように思いますので、勉強方法も時間の使い方も自分らしさを捨てずに、他の人の言っていることや行っていることが自分にも上手く当てはまるかどうかは吟味しながら生活したほうが良いように思います。また、適度な睡眠と運動を心がけることはメリハリをつけた勉強をするという意味ではお勧めできます。
 司法試験は勉強の方向性さえ誤らなければ、努力次第で結果がついてくる試験だと思いますので挫けずに淡々と勉強を進めて、合格を勝ち取りましょう!

以 上

 

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