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合格体験記 私の司法試験合格法

T.K.

 

1 経歴、法曹志望の動機

 私は、早稲田大学社会科学部卒業者で、2020年3月に明治大学法科大学院を修了し、令和2年度の司法試験に合格しました。
 私が法曹の道を志すようになったのは、最初は、ドラマを見て弁護士にあこがれたのがきっかけです。そして、法律の勉強をするのが面白かったこと、また、働くうえでは専門知識を身につけて勝負したいと考えるようになったこと、さらに、親友が交通事故に巻き込まれた際に弁護士の先生に大変お世話になって感謝しているという話を聞いたこと、これらの経験から自分の将来の進路として法曹の道を進もうと決めました。

 

2 短答式の勉強方法

 短答対策は、辰巳法律研究所出版の「短答過去問パーフェクト」を使いました。この本を使い、まず、司法試験が開始した2006年~2019年までの司法試験・予備試験で出された3科目全ての短答の過去問題を解きます。この時、単に正解すればいいというのではなく、自信を持って正解した問題・なんとなく正解した問題・間違った問題の3つに分けてチェックします。そして、なんとなく正解した問題と間違った問題は、どんな知識があやふやだったのかを分析して、裏の解説にマーカーを引いたり基本書の該当箇所にマーカーを引いたりします。短答対策は、電車の中や寝る前の10分間など隙間時間に対策をしました。この隙間時間に、自分でマーカーを引いた個所をパラパラと見返す事を繰り返しました。そうして、1度短答過去問と解いてからしばらく時間が経った後に、2週目として、前回、なんとなく正解した問題と間違った問題だけを解きます。このような作業を繰り返していき、短答対策をしていきました。

 

3 論文式の勉強方法

1 全科目共通

  論文式試験全てに共通した話をしますと、まずは、ロースクールの授業や基本書を読む等して、基本的な知識を身につけるのが良いと思います。この時に大切なのは、最初からあまり完璧を目指そうとしない事です。初めはわからなくてつまずく事も多いと思います。それでも、繰り返していけばだんだんと分かってくるものです。ある程度、知識を身につけたら、実際に司法試験の論文の過去問を2時間(選択科目は3時間)で書いてみる事をオススメします。最初は、あまりできないかもしれませんが、ゴールから逆算して、今の自分に何が足りないのか、しっかりと分析する事が大切です。個人的には、演習書に取り掛かるよりも先に論文の過去問に取り組む方が良いと思います。

2 憲法

  基本書は、「憲法学読本」を使いました。演習書は使っていませんが、憲法の過去問を解説している「憲法ガール」を使いました。後は、判例百選等を読み込んで、なぜこのような結論に至るようになったのか、似たような事案が出てきたらどのように対処するか、を考えていました。

3 行政法

  基本書は、「基本行政法」を使いました。演習書は、「事例研究行政法」を使いました。行政法は、全科目の中で一番、試験時間内に書ききるのが難しかったです。行政法は条文の解釈が大切です。司法試験の問題等を使って、時間内に資料を読み込み条文を解釈する訓練をするのが良いと思います。

4 民法

  基本書は、佐久間先生の「民法の基礎1 総則」「民法の基礎2 物権」、松井先生の「担保物権法」、潮見先生の「プラクティス民法債権総論」「基本講義債権各論ⅠⅡ」、親族相続は「リーガルクエスト」を使いました。演習書は、改正法に対応しているものがあまりなかったので予備校の答練などを使いました。

5 会社法

  基本書は、「リーガルクエスト」を使いました。演習書は、「事例で考える会社法」を使いました。会社法で何より大切なのは、条文です。本番の司法試験では、関連条文のページは書いていませんから、ある程度条文番号を覚えておき、素早く条文を引けるようになると良いと思います。

6 民事訴訟法

  基本書は、「リーガルクエスト」を使いました。演習書は、「ロジカル演習民事訴訟法」を使いました。民事訴訟法は、全科目の中で一番勉強時間が長くなったと思います。例えば、既判力など、基本書等を何度も読み込んで深い理解をしておくことが大切です。そして、問題を解いたら「基本書のここの箇所の理解が浅かった」などわかるようにチェックして基本書と問題集を往復すると良いと思います。

7 刑法

  基本書は、「基本刑法Ⅰ総論・Ⅱ各論」を使いました。また、大塚裕史先生が法学セミナーで連載している「応用刑法」も読んでいました。演習書は、「刑法事例演習教材」を使いました。刑法は、論文の過去問の中で一番初めに取り組んでみるのが良いと思います。

8 刑事訴訟法

  基本書は、「リーガルクエスト」を使いました。演習書は、「事例演習刑事訴訟法」を使いました。刑事訴訟法は、伝聞の箇所を深く理解することに努めました。

9 労働法(選択科目)

  基本書は、水町先生の「労働法」を使いました。演習書は、「事例演習労働法」を使いました。労働法は、過去問でだいたいの論点を網羅できる為、過去問の取り組みが有用です。

 

4 その他

 ここまで色々と真面目に書いてきましたが、時には法律の勉強を忘れて息抜きする事も大切です。そうやってリフレッシュする事で法律の勉強もはかどっていくと思います。また、大学の友達や予備校やロースクールでできた友達と話し合ったり相談しあったりするのも大切だと思います。
 ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。司法試験は確かに大変な試験かもしれませんが、これを読んでくださった皆様が、少しでも司法試験合格を目指そうと思って頂けると嬉しいです。

 

以上

 

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