合格体験記 私の司法試験合格法
T.G.
明治大学法学部
2023年卒業
1 経歴・法曹志望の動機
2019年4月 明治大学法学部入学
2023年3月 明治大学法学部卒業
2023年4月 明治大学法務研究科入学(既習コース)
2024年2月 司法試験予備試験合格
2024年11月 司法試験合格
私は、学部の頃にご指導いただいたたくさんの先生方皆様が、責任が重く大変な職業であるにもかかわらず、法曹という職業に誇りをもって学生に勧める姿を拝見し、すばらしい職業であることを実感したため、法曹を目指すに至りました。
2 短答式の勉強法
私は、短答式試験の過去問を何度も繰り返し解き続けることを重視して、短答式試験の勉強を行いました。使用した教材は、アガルートで購入した短答式試験の過去問問題集ですが、その他、辰巳法律研究所の短答パーフェクトなど、司法試験、予備試験の短答式試験の過去問問題集であればいずれを使ってもよいと思います。
短答式の勉強のコツとしては、一問ごとにあまり時間をかけず、とにかく何回も繰り返し解くことだと思います。特に予備試験の場合、7科目と範囲が広く一問ごとに丁寧に問題を解いていては、時間が足りなくなってしまいます。私も、初めに取り組んだ民法に時間をかけたため、訴訟法などが追い付かなくなってしまった経験があります。そのため、一問ごとにあまり時間をかけず、何度も問題を解き、記憶を喚起する勉強方法をおすすめします。また、正誤のチェックを行い、誤った問題のみを重点的に取り組むなど、より早く回せる方法を採ることも有効だと思います。
3 論文式の勉強方法
論文式の勉強として重視していたことは、過去問などの問題演習を行うことと答案の添削を受けることです。
司法試験、予備試験の問題は、法曹に迎え入れる者を選別するために、試験委員の先生方が一年間時間をかけて作成されるものです。そのような問題を解くことで、試験委員の先生方が受験生になにを求めているのか、少しずつ理解できるようになります。授業を受けるにも、基本書を読むにも、試験委員に求められているような原理原則の理解、判例の理論、事案の違いの影響などに注視するようになります。また、新司法試験は平成18年度から、予備試験は平成23年から始まっているため、それぞれ各科目15問から20問程度、併せて一科目35問ほどの過去問があります。これらの問題を、全て特には、相当程度の時間が必要です。一通り講義や短文の問題集等で、答案の書き方、論点の理解を得られた段階であれば、市販の問題集に手を出すのではなく、まずは過去問に取り組んでみることをおすすめします。
そして、過去問の答案を作成した後は、合格者の方や教授に答案を見てもらうべきだと考えます。自己完結をしてしまうと、どうしても論点ばかりを気にしてしまい、知っている論点をかけたか否かで自身の答案の良し悪しを考えてしまいます。しかし、採点者や合格者の先輩方は、法的三段論法ができているか、論点の出てくる場所が正しいか、など答案全体を見たうえで答案作成者の理解を図っていると思います。また、自分の文章が他人に伝わる文章となっているか否かは、他人に読んでもらわないと正確に判断できません。作成した答案を自己完結することなく、添削を受けることで、答案作成の視点が変わると思います。明治大学では、学部主催の口座や明大法曹会主催のゼミなど、添削を受けることのできる機会が多くあると思います。法科大学院では、教育補助講師の先生のゼミなどでたくさん添削いただけます。わたしも、これらのゼミを活用させていただき、日ごろの勉強に落とし込んでいきました。
基本書について、私は、過去問演習後に、問われた基礎知識の確認や論点の問題点、理由付けの確認のために使用しました。私はアガルートの論証集を使用していましたが、論証集に記載されている文章を単に暗記するだけでは、論点について理解したとはいえず、あてはめで理解していないことが採点者にばれてしまいます。なぜ、論証集ではこのような理由付けとなっているのか、論証集の理由付けは正しいのか、問題意識をより表すにはどのような文章にすべきかなど、論証集を使いこなすために問題演習後基本書に立ち返り、論証集のアップデートを図りました。なお、基本書の通読はしませんでした。単に通読するだけでは、目的意識を持つことができず、有効的な勉強ができなかったためです。
4 その他合格に役に立つこと
合格のために一番必要なことは、勉強を継続するためのモチベーション維持の方法を見つけることが大切であると思います。適度な息抜きや司法試験合格に向けて頑張っている人の近くにいることなど、それぞれモチベーションとなることを見つけてほしいです。私は、法科大学院入学後、一緒に勉強する同期を得たことが勉強のモチベーションにつながりました。特に、自習室の斜め後ろの友人が、通学に時間を要するにもかかわらず、毎日朝いちばん来て終電ギリギリまで勉強していく姿をみて、負けていられないという気持ちになりました。近くに頑張っている人がいる環境に身を置くことは、とても良いと思います。
5 最後に
司法試験の勉強は、長く厳しいものと思います。何度やっても同じところでつまずいたり、一度やった事を忘れてしまっていたり、心がくじけそうになることも多かったです。それでも、最初の目標を見失わずに、最後まで粘り強く勉強を続ければ、良い結果を得られると思います。皆様の合格を心より祈願しております。
以上