合格体験記 私の司法試験合格法
平成29年3月8日
弁護士 中村 梓
1 経歴
2008年 立教大学法学部卒業
2008年 明治大学法科大学院未修者コース入学
2011年 明治大学法科大学院未修者コース修了
2015年 司法試験合格
2 志望動機
弁護士になろうと思い、司法試験を受験することにしました。
弁護士は、仕事は人のために直接役立てるものだということ、仕事の幅が広くいろいろなことができそうだということなどから、志望しました。
3 短答式の勉強方法
⑴ 短答式は、とにかく演習を繰り返すことが大切だと思います。
⑵ 演習をやるときの参考書は、解説が長いものの方が良いと思います。
4 論文の勉強方法
⑵ 判例通説の理解について
ア メインのテキストを1冊に絞り、それを読み込むこと。
必要な情報はそこに書き込みをしたり、別紙をセロテープなどで貼ったりして、なるべくその1冊に集約すること。私は、判例六法の余白部分に条文の定義や構成要件、要件事実等を書き込んだり、小さなメモ用紙を貼ったりしていました。このようにしておけば、重要な情報、忘れがちな情報、覚えるべき定義等を、一つの参考書を見ればすぐに見返すことができます。
イ メインのテキストを何にすべきかについて、私は、最初は学者の先生方が書かれた本を基本にしていましたが、正直、予備校本の方が断然良いと思います。予備校本は、まず判例通説を必ず挙げてくれるし、重要な判例も載っています。また、論点ごとに重要度が書いてあります。参考書へのリンクも載っていたりするので、参考書も調べやすいです。余白も多いので、情報集約のための書き込みもしやすいです。
学者の先生方の書かれた本は、とても良いものもあるのですが、やはり、司法試験受験のために書いたわけではないので、予備校本の司法試験受験生へのサポート力、サービス力は劣ります。私は、予備校本をメインにして、そこで足りないと感じた部分を、学者の先生の本で補うこととするのが一番良いと思います。
私はC-BOOKを使っていましたが、ご自身で、自分に合ったテキストを見つけてください。予備校本より学者の先生の本の方が良いと感じた方は、それでももちろん良いです。
ウ テキストを読む際、私は蛍光ペンを多用していました。例えば、裁判例の日付は緑、「処分性とは」などの定義や文言は青、「△△である。」などの定義の内容やその他の重要部分は黄色、などです。
しかし、最初に読むときは、どれもこれも重要に思えてしまって、蛍光ペンを引きまくり、結局目がチカチカして使えないこともあります。そこで、フリクションの蛍光ペンなどは有用だと思います。
⑶ 演習について
ア 論文は(短答もですが)、演習がとても大切です。そして、最も大切なのは、過去問を解き、実際に本番で書いた人の再現答案を読むこと。しかも上位合格者の答案を。これがとても役立ちました。予備校の先生や予備校生などが書いた過去問の模範解答のようなものは、私は全く参考にはしませんでした。
上位合格者の答案を読むと、「これしか書けてなくてもこんなに良い点が取れるんだ」と感じることも多かったです。どこまで書くべきなのか、どれを書くのが合格のために良いのか、といった目安というか、感覚というか、そういったものを身につけることができました。
逆に、一見普通のことを、しかも、少ない枚数で書いたりしていて、「え、これで上位合格なの」と思える答案でも、やはり、優秀な答案は、答案の構成がしっかりしており、簡潔ですが重要なことがしっかり明確に書かれていて、その裏に確かな知識や理解があることがにじみ出ていました。
何度も過去問を解き、自分の答案と上位答案とを比較して分析することで、自分の答案の欠点を少しずつ修正することができます。上位合格を目指していなくても、上位合格者の答案はとてもとても役立つと思います。
イ 私が使っていて良かったのは、辰巳の「司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本」です。上位合格者の答案が多く載っている上、解説も載っているので、読んでいて楽しい本でした。新しく出た本についてはよく知らないので、書店等で良いものを見つけてください。
ウ 自分の失敗談として、私は、司法試験の過去問はある程度自分に知識がついてからやろう、などと考えて、とっておきました。でも、過去問は、論文、短答に限らず、まず一番に解くべきです。そしてどんな傾向があるのか、どんなことを書けば上位合格できるのか、よく調べてください。まだ過去問を解いたことがない人は、今すぐ、今日にでも解いてください。
知識が十分でないときに解いたとしても、それで良いのです。その後、また同じか顧問を解くなどしてください。
過去問をとっておく、などということは、絶対にしないでください。
5 その他
⑴ 失敗ノートや、答案作成時の心得ノートなどを作成しておくとよいです。
そこで、本番の日にも持って行くノートを1冊作り、「法的三段論法!」とか、「答案構成をやる!」といったことを記載したり、本番での手順を書いたりしていました。例えば、「まず、設問を読んで、マーカーを引く。主な問にはうすピンク、副次的な指示(例えば「甲の交通法規違反の罪については検討しなくてよい。」)にはうす紫、など。)」などなど。
失敗ノート、心得を作成する際には、自分で答案を作成したときの失敗をメモしたり、あとは、司法試験受験者や司法試験合格者のブログ、書籍等も参考にしたりするとよいと思います。
⑵ 勉強すること
ア 勉強時間の多さは、結果と如実に比例します。自分はさぼりがちで失敗し、合格まで時間がかかってしまいました。最終的には合格できて良かったし、時間がかかることのデメリットを、受験生時代はあまり意識していませんでしたが、時間がかかったことは、司法修習生になった後、結構デメリットになると感じました。例えば裁判官、検察官になりたい場合や、就職活動において、何回司法試験を受けたか、はかなり影響すると思います。
最終的に合格できればそれはそれで良いのですが、自分の時間ももったいないし、デメリットもあるので、短期集中で、頑張ってください。頑張るべきです。この数年間が、生涯を左右します。
イ つい家だとだらだらしてしまうなら、大学の自習室へ。大学の自習室が使いづらい人は、民間の有料自習室、大学の図書館、地元の図書館、喫茶店などなど、安定して勉強できる定着場所を見つけること。
ついテレビを見てしまうなら、テレビを捨てる。捨てて、合格してから50インチのテレビを買って死ぬほど見てください(私は最近50インチのテレビを買いました)。
ついゲームをやってしまうなら、本体もソフトも全て捨てる。
ついネットをやってしまうなら、電波をオフにする勉強用アプリをインストールする、それもだめならスマホを誰かに預ける。ガラケーに変える。
司法修習生になれば、好きなだけテレビが見れます。死ぬほどゲームもできます。ネットもできます。
ウ とにかく勉強すること。そして、方向性を間違えないこと。そうすれば、必ず合格します。
不合格だったときの自分、不合格だった友人の様子を思い返すと、大抵、「今日もだらだらしちゃったよ~」とか「つい〇〇しちゃうわ~」とか、「今日は調子悪いんだよな~」などと、ショボいことを言っているものです。
毎日、司法試験受験生として、胸を張って過ごせるようにしてください。毎日胸を張って過ごせている人は、着実に合格への道を歩んでいると思います。そうでない人は、不合格への道を歩んでしまっています。
⑶ 長くなってしまいましたが、結局は、勉強することです。
頑張っているあなたは、きっと合格します。頑張っていないあなたは、今から頑張って下さい。
心から応援しています。
以上