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合格体験記 私の司法試験合格法

佐野 大和

1 経歴

2011年 山梨県立市川高等学校英語科卒業
2015年 成蹊大学法学部法律学科卒業
2017年 明治大学法科大学院(既修)卒業
司法試験受験回数2回

 

2 法曹を目指した動機

 私は、中学生の時に『それでもボクはやってない』という痴漢冤罪を扱った映画を知り、この映画に出てくるような冤罪被害に遭う人を助けたいと思い、法曹を志すようになりました。

 

3 はじめに

 今回は、昨年不合格になってから、今年合格するまでの勉強への取組み方法の変化について振返りたいと思います。
 なお、以下では一般的なことしか記していないつもりですが、合格体験記はあくまで「その合格者」にとって、今回は「私」にとって良かった勉強法が記載されているだけなので、過度に一般化しないでください。

 

4 短答について

 私は、昨年の短答試験は111点と非常に低い点数しか取れませんでした。これは単純に取組み始める時期が遅かったこと、過去問を回す回数が少なかったことが理由であると考えたので、今年は10月から短答に着手し、過去問の各問題を三回以上は回しました。
 短答は単に機械的に繰り返すだけでは、問題と答えを覚えるだけになってしまいます。多くの合格者が言うように、頭を使って解かなくてはいけません。私は、一周目はとりあえず読むだけで、肢ごとに正誤を確認し、二周目からは肢ごとに問題を解き、三周目ではテクニックも確認しながら問題ごとに解き、四周目以降は間違った肢や、不安な肢を、またはその肢がある問題全体を繰り返し解いていました(特に民法の家族相続分野、憲法の統治分野などは沢山回しました)。そして、当然ですが、条文問題が出てきた時には必ず条文の素読、百選レベルの判例知識を間違えたら必ず判例の確認を行っていました。特に、条文の素読は有効だったと感じます。また、これも当然ですが、論文でも出題されるような論点が問われている場合には、その理由まで覚えているかも逐一確認すべきです。
 このような勉強をしていたおかげか、今年は昨年より30点程度高い点数を取ることができました。

 

5 論文について

 まず、昨年の大きな反省点は、月並みなものですが、多くの受験生が知っている論点の知識が不足していたこと、過去問の検討が不十分だったことでした。また、中日に体調を崩してしまったので、体調管理ができていなかったという反省点も挙げられました(これは各自で気を付けるしかないので、以下では触れません)。逆に、良かった点は、各科目の論文の書き方についてはある程度の型が完成していたこと、得意という自覚があった科目、本番で手ごたえがあった科目は合格水準を超えた評価がされていたので、自分の努力の方向や感覚は間違っていなかったのだと実感できたことでした。
 以上の分析を踏まえ、「多くの合格者が当たり前にやっていることを当たり前にやる」という方針の基で、①まずは全科目につき、過去問を徹底的に検討する、②合格水準に達していなかった科目については、変なこだわりは捨て、シェアの高い基本書や問題集(受験新報に年一で載っているのでチェックしてみてください)を使用するというごく平凡な対策を講じました。
 上記①については、出題趣旨採点実感、辰巳の再現答案集やぶんせき本、受験新報の解説、憲法ガール行政法ガール等を参考にしました。過去問検討では、一応の完全解はどんな感じなのか、どのレベルが合格水準答案なのか、という二点を常に意識することが大切だと感じました。なお、上述の通り、答案の書き方自体は身に着いていると感じていたので、実際に答案を書くのは答練や模試の時だけで、過去問検討は答案構成で済ませていました。しかし、文章力が落ちるのは怖かったので、答案構成を見ながら答案を頭の中で書いてみたり、ブツブツつぶやいてみたりということはしていました。次に②について、特に有益だった教材としては、憲法判例の射程、事例研究行政法、民法総合事例演習、民訴百選、読解民事訴訟法、ロースクール演習民訴、刑法事例演習教材、応用刑法、刑訴百選、古江本等が挙げられます。解答や解説がついていない問題集については予備校やSNS等で上位合格者の解答例を手に入れて使用していました。また、解説しかついていないものについては、常に答案ではどう書くかを意識して読んでいました。
 なお、昨年の時点で身に着いていると実感できた答案を書く能力については、院入学一年目から組んでいた自主ゼミの友人たちに鍛えられた結果備わったものだと感じています。皆さんもぜひ自主ゼミを組んで答案の書き方を探ってみてください。

 

6 終わりに

 司法試験の本番では、途中で「やらかした~」と感じることが多々あります(私も、今年、複数科目で問題文の読み間違いがあることに試験期間中に気づいてしまい非常に焦りました)。ですが、決してそこで諦めないでください。「やろう!解こう、全力で!だってそのために今日まで頑張ってきたんだから!」と自分に言い聞かせ、最後まで全力を出し切ってください。わりと何とかなるものです。
 最後に、夢や目標に向けて努力し続けることはそれ自体も才能で、素晴らしいことです。ですが、自分が壊れてしまうほど頑張らなければいけないことは世の中にありません。まずは、何より自分を大切にしてあげてください。そして、頑張りすぎない程度に頑張ってください。

 

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