司法試験予備試験合格体験記 私の予備試験合格法
武藤 喬
1.経歴
平成22年 立教大学法学部法学科 卒業
平成25年 明治大学法科大学院 修了
平成30年 司法試験予備試験合格
2.予備試験受験のきっかけ
経歴からもわかるように、私は法科大学院を修了した後司法試験を受験しましたが、いずれも不合格で受験資格を喪失しました。しかし、未練もあったことから、一度だけという制約を科して予備試験を受験することにしました。
これが私の予備試験受験のきっかけです。
3.短答式の勉強法
予備試験は、司法試験とは異なり、短答の科目数も多く、また、合格しなければ論文を書くことができないことに加えて、私自身短答に対して苦手意識が強かったことから、まず短答を突破することを第一に勉強の計画を立てました。
一般教養科目については、勉強しても点数に結びつかないと考えたことから、全く勉強せず、模試と本試験で問題と解いただけでした。
その分、法律科目で8割の点数を取ることを目標にしていました。
内容としては、市販されている体系別の過去問を解き、間違えた肢を市販の択一用六法に書き込んでいくというものです。
間違えた肢は、次に解いた時も間違える反面、理由まで分かった肢については間違えないという経験から、間違えた肢を択一用六法に一元化することで復習の時間を短縮し、かつ効率的な勉強ができたと思います。
4.論文式の勉強法と反省点
次に、論文についてですが、私は仕事をしていたことから、問題集を回すまでの時間は取れませんでした。そのため、過去問を解くことを優先し、傾向や合格水準を知ることに努めました。問題文の読み方や答案の分量などを中心に分析することができたことで、論文を受験するにあたって最低限のことはできたかと思います。
一般教養科目については短答式と同様、勉強しても効果が薄いと考えたことから、全く勉強しませんでした。
反省点としては、予備試験の論文では実務基礎科目がありますが、択一の発表後まで、実務基礎科目については手が回っていませんでした。そのため、実務基礎科目の評価は悪く、論文の順位が振るわなかった原因でもあったと思います。
今後受験される方は、実務基礎科目については、早い段階から勉強をしておくことをおすすめします。
5.仕事と学業の両立
上記のように、私は、仕事をしながら予備試験を受験しました。
私は、純粋な初学者ではなく、知識面等で多少の上積みはありましたが、専業で勉強をしている人たちに比べると圧倒的に勉強量が足りないと感じていました。そのため、効率的に勉強をしなければならないと考え、勉強方法を工夫することを念頭に置き勉強に取り組みました。
具体的には、合格するために要求される水準を把握し、それに対してどのようにアプローチしていくかということです。闇雲に勉強を続けてもアプローチを 誤ってしまえば、合格は遠退いてしまうと司法試験を受験していた時から感じていたので、特に意識して勉強していました。
また、一日の勉強時間も限られることから、短い時間で勉強サイクルを区切り、その時間は集中して取り組むことを心掛けました。
しかし、仕事をしていたことでそれが気分転換にもなり、ダラダラ時間を浪費してしまうという事態は避けることができました。
6.最後に
私も予備試験を受験しようと考えたとき、データなどを見ながら、本当に合格できるのかと不安しかありませんでした。
それでも、合格することができたのは勉強の方法を誤らなかったこと、限られた時間を有意義に使うことができたこと、明大法曹界での答練を受講し先生方に勉強に関する助言をいただけたからだと思います。
予備試験を受験される方には、仕事をしながらという人も多いかと思います。正直仕事と勉強を両立し、その中で結果を残さなければならないということは、相当大変なことであると私も経験して感じました。
しかし、自分が合格するために足りないことをしっかりと把握し、それに対してしっかりとした対策を立て、実行することができれば合格することも十分可能であると思っています。
この体験記が、受験生のみなさんにとって、少しでも役にたてば幸いです。
以上