合格体験記 私の司法試験合格法
石田 雅海
経歴
平成24年 明治大学法学部法律学科 入学
平成28年 明治大学法学部法律学科 卒業
平成28年 中央大学法科大学院 入学
平成30年 中央大学法科大学院 修了
令和 元年 司法試験 合格
1.法曹志望の動機
私が法曹を志望した動機は、両親が交通事故に巻き込まれた際、相手方との紛争を目のあたりにした経験にあります。このような紛争を法的な側面から調整し、お互いの納得のいく解決へと導くことが出来るのは法律の専門家である法曹なのではないかと考え、法曹の道を志望し始めました。
2.短答式の勉強方法
私は、短答に対して苦手意識がありました。そのため、1回目の受験の時から短答の勉強に時間を多く割いていました。もっとも、その学習方法についてはシンプルで、予備校の出している短答式問題集を繰り返し解き続けました。
まず、肢別、短答式いずれの形式でもそうですが、1周目に間違えた問題については、解説を読んだ後、判例六法の関連条文にチェックを入れるようにしていました。
次に、2周目について、短答式の場合、すべての肢について検討しなくても正解することが出来ますが、練習段階ですので、すべての肢を検討し、すべての肢について理由づけまで正解したときにだけ問題に○印を付けるという形で演習を行いました。
そして、3周目以降は、○印の付いていない問題を中心に解き、すべての問題に○印がつけられるように苦手な問題を減らしていくという方針で演習を行いました。
この勉強法については、1周終わらせるのにも、ある程度まとまった時間が必要となってくるので、早いうちに進めておくべきだと思います。
3.論文式の勉強方法
私は司法試験2回目の受験で合格できたのですが、1回目の受験で圧倒的に足りなかったのは司法試験の過去問の演習であったと思います。
1回目の受験では、傾向把握として直近29年度の過去問から22年度あたりまでの過去問を1周し、それが終わった後は演習書をメインで論文演習を行っていました。その際、司法試験の過去問については、フルスケールの起案を行なっていましたが、演習書については、答案構成にとどめ、その周回数を増やすことを意識して進めていました。しかし、その年の司法試験の結果は不合格でした。そこで、その年の合格者である友人たちの話を聞く中で、自分に足りなかったのは過去問の演習であったと考え、勉強方針として、過去問の演習に集中することを決めました。
実際の過去問の演習方法は以下のとおりです。
まず、1周目は時間無制限で、自分が納得のいく答案を作成しました。その際、参考にできるものは何でも参照し、規範をインプットした書籍などを用いて、知識の補充をしながら論文の作成能力の向上を図りました。
次に、2周目に同じ問題を解く際には、本番の試験では制限時間内に答案の作成が求められることから、時間を測って答案の作成を行いました。一度解いた問題であるとはいえ、制限時間内に書ききるには、規範の長さやあてはめの分量を調整する必要があるため、2周目は、こういった能力の向上を意識して答案の作成を行っていました。
そして、3周目については、答案の型が自分の中で決まり、問題文の中の重要な事実や論点などを覚え始めていると思うので、制限時間から2割減くらいの時間で答案の作成を行いました。この段階まできた頃には、初見の問題であったとしても、全く何も書けないことはなく、自分なりの答案を作成する能力が付き始めていると思います。
このように過去問を最低3周はすることで、自分に足りなかった論文で問われやすい知識や文章力の向上を図りました。2周目3周目については、答案作成後、出題趣旨・採点実感に、自分の書けなかった要素、または、規範を長くし過ぎて当てはめに時間を割くことが出来なかったなど、自分の弱点を書き込んでおくと良いと思います。このような論文演習を苦手な科目、苦手な年度の問題については、4周、5周し、自分の中で納得のいく答案を書けたと思えるところまで演習を行いました。
4.最後に
勉強方法については、よく言われていることですが人それぞれであり、自分に合った勉強法を確立することが何よりも大事であると考えています。今回、ご紹介した私の勉強法も数ある勉強方法の一つとして、これから司法試験の合格を目指し、日々勉強を進めていく後輩の皆さんのお役に立てれば幸いです。