合格体験記 私の司法試験合格法
K.H.
1.経歴、法曹志望の動機
(1)経歴
2020年3月 明治大学法学部卒業
2020年4月 一橋大学法科大学院 既修者コース 入学
2022年3月 同大学院 修了
2022年9月 令和4年司法試験 合格
(短答:135点・584位、論文:482点・241位、総合:251位)
(2)法曹志望の動機
2.短答式の勉強方法
私は全科目短答過去問パーフェクトを使用し、ローの期末試験が終わった12月末から演習を始めました。
1、2、3週目まで全問、4週目は3週目に間違えた問題をまとめたノートを作成したので、それを見直すという方法で進めるつもりでしたが、結果として4週目は全く終わらなかったです(憲法しか終わらなかった気がします…)。もっとも、これは司法試験に向けた話であって、院3年の予備試験では、全科目1週と半分くらい進めていました。なので全体では、だいたい4、5週はしたと思います。
1日で見ると、新しい問題20問+前日に解いた問題20問の計40問ずつをすすめました。これは友人に勧めてもらった方法でしたが、忘却を少しでも遅らせることができ、私はやってよかったと思っています。
3.論文式の勉強方法
基本的には司法試験の過去問を、解き終わったあとで演習書も解いていました。あとは、全科目のまとめノートを作成していました
過去問について。司法試験の過去問の起案を始めたのは、院2年の2月くらいで、周りに比べてかなり遅い方だと思います。それまでは、予備試験の過去問を解いていました。
過去問は全年度、1週(選択科目は2週)は確実にし、科目によっては2週目も行いました。ただ、2週目は起案までせず、答案構成のみの場合も多かったです。答案は、自主ゼミで提出して、同級生に読んでもらっていました。直前期は、一人で書いて自己採点していました。
演習書について。1週は書かないで、解説や解答を読むだけが多かったです。2週目は解いていましたが、基本的には答案構成どまりや起案したとしてもざっくりと書くだけで、きちんと起案はしていませんでした。
手がなまるので、自主ゼミの日以外は1日に1通は必ず書くようにしていました。
私は、時間をはかってなにも見ずに書いたことは本当になかった気がします…。ちゃんと書いたのは直前の模試のみです。その代わり、丁寧にあてはめをすることを心掛け、書けなかった規範等は繰り返し繰り返し書いていました。
4.その他合格に役立つ勉強方法
私がやってよかったと思う勉強としては、自主ゼミとまとめノートの作成の2つが挙げられます。
自主ゼミは、基本科目と選択科目の2つ組んでいました。どちらも2人組で行っており、答案を相手に送り、お互いに読んできたうえで集まるという形をとっていました。誰かに答案を読んでもらうというのは、自分では足りない部分に気づかせてもらえますし、私はどちらも組んでくれた子が優秀だったのでわからないことをたくさん教えてもらいました。自主ゼミによって答案が明らかによくなりましたし、人と話すことで精神的にもとても支えられたと感じます。
まとめノートは、趣旨規範を基本として、判例のまとめや人の答案・演習書の言い回しで短くて良いと思ったものを書き込みました。特に判例のまとめには力を入れ、判例を読みながらその判例が一番言いたいことは何なのかを意識して、重要なことは落とさないように端的にまとめました。これによって、判例を十分理解したうえであてはめができるようになり、あてはめが充実したように思います。
5.使用教材
・憲法 :憲法学読本、憲法事例演習(廃)
・行政法 :基本行政法、ケースブック行政法、基礎演習行政法
・民法 :民法の基礎1総則(古い版)・2物権(佐久間)、
債権総論・担保物権法(松井)、債権各論Ⅰ・Ⅱ(潮見)、
リークエ民法Ⅵ親族・相続
事例で学ぶ民法演習(廃)、事例でおさえる民法改正債権法
・民訴 :リークエ民訴、ロープラ
・商法 :会社法(高橋美加)、論文演習会社法
・刑法 :基本刑法、事例演習教材(古い版)
・刑訴 :リークエ刑訴、事例演習刑事訴訟法
・選択(経済法):独占禁止法(金井)、条文から学ぶ独占禁止法、
論点解析経済法、授業レジュメ、令和3年重判
6.最後に
私はずっと司法試験は天才が受かるものとイメージしていました。そして凡人な私には無理なのかもしれないと何度も思いました。
それでも、どうしても弁護士になる夢を諦められなくて、だらだらとここまで勉強を続けてきました。そしてそんな私も合格することができました。
私は頭は決して良い方ではありません。要領も悪くて、自分でも残念に思うほど不器用です。でも、誰よりも時間をかけて努力はしてきたと思っています。不器用でなんにでも時間がかかる分、人よりも時間を切り詰めて、勉強に多くの時間を費やせるように工夫して、日々を過ごしました。
受かって思うことは、司法試験は天才だけが受かる試験ではない、ということです。勉強している間は、もう無理だと思うことはあると思います。どうしようもなく真っ暗で、不安でいっぱいになることがあると思います。そこで諦めず努力を続けることができた人間に合格はついてくるのだと考えます。
無理なことは決してありません。皆さんの努力が報われる日が来ることを私は祈っています。
以 上