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明治大学法曹会 司法試験合格体験記

SK

2024年 明治大学法科大学院既修3年

1 短答式の勉強方法

 私は、静岡県から新幹線で通学していたため、帰りの新幹線の時間を短答式の勉強に充てるという形で、通学時間を有効活用していました。
 使用していた教材は、早稲田セミナー出版の『体系別短答式過去問集』です。辰巳法律研究所出版の『短答過去問パーフェクト』と迷いましたが、価格の安さや解説の薄さ(回し易さ)に惹かれ、前者を選びました。
 勉強方法については、2年の夏季休業期間中に、司法試験に合格した先輩から、「1日5問解けば、1年で1825問解ける」というお話を伺い、数問でも良いので毎日欠かさず解く、ということを心掛けました。
 そのため、短答式の勉強が億劫にならないように、間違った肢については、解説の重要な箇所にマーカーで線を引く程度の復習にとどめ、判例六法への書き込みや、解説の入念な検討などはしませんでした。また、解答を覚えてしまうことを厭わず、とにかく問題を回すことだけを意識して取り組みました。
 直前期(1,2ヶ月前)においては、1日30問から50問ほど解くというように勉強方法をシフトチェンジしたため、結果として問題集を3周ほど回すことができました。

2 論文式の勉強方法

 私は、司法試験とは縁遠い、地方の国立大学から、明治大学法科大学院の既修コースに進学しました。
 ロースクール入学当初は、学部時代に、司法試験に関する情報など一切なく、答案添削の機会も一度もないという環境下で過ごしたため、答案の書き方(第1→1.→⑴→ア→(ア)→a→(a)の順番や、「よって」書きの使い方など)すら分からない悲惨な状態でした。
 使用していた教材について、ロースクール入試の際は、アガルート出版の『合格論証集』という論証集を活用していましたが、意味も分からないまま長々と論証を貼り付けた、いわゆる予備校答案を作成していたことへの懸念や、教育補助講師の先生のお勧めもあり、辰巳法律研究所出版の『趣旨・規範ハンドブック』に乗り換え、選択科目については、辰巳法律研究所出版の『論文対策1冊だけで労働法』を活用しました。
 勉強方法については、2年の夏季休業期間中に、1日1起案という縛りを設け、1日も欠かさずに起案し続けました。
 最初のうちは、問題文を読むことすら苦痛で、何が論点かも分からない状態だったため、答案作成時間を気にせず、論証集で規範を確認しながら、諦めずに答案を書き切るということを意識して起案しました。
 具体的には、選択科目→公法系→民事系→刑事系の順番で(8日で8科目)、午前中に1人で起案し、出題趣旨・採点実感をざっと読んだ上で、午後に少人数の自主ゼミで相互に答案を添削し合う、という形で検討したため、満遍なく効率的に起案・復習をすることができました。
 2年の春季休業期間中は、同様に1日1起案という縛りを設けつつ、答案作成時間を制限し(2時間ないし3時間を数分オーバーすることはありました)、論証集も参照しないという本番の形式にならって起案しました。
 この段階では、起案に対する苦手意識が払拭してきたことや、出題趣旨や採点実感の言わんとしていることが理解できるようになってきたことから、1人で淡々と復習し、分からない箇所があれば質問し合う、という形で検討しました。
 余談にはなりますが、司法試験受験後に、制限時間内に起案する能力を身に付けた上で、制限時間を設けずに、論証集を参照しながら、パソコンを用いて自分が思う完璧な答案を作成するという形で起案をすることで、規範の意味(どのような条文の趣旨から規範が導かれるのか)や、規範に対応するあてはめの仕方、事実と評価の明確な区別等を掴むことができ、自分の能力が1UPしたように感じたため、司法試験受験前にこの勉強方法を採用しておくべきだったと感じました。

3 授業やゼミの活用方法

 私は、司法試験に合格した先輩の方々から、授業より司法試験に繋がる勉強を優先するべきであるとか、補助講師ゼミはできるだけ多く受講するべき、というお話をたくさん伺ったのですが、個人的には、しっかりと授業の予習復習に尽力し、質良く補助講師ゼミを受講することが、合格への最短経路なのではないかと思います。
 授業について、私は、2年の春学期においては、1科目の予習に12時間ほどかかり、予習に時間を奪われた結果、復習に時間を割けず、ソクラテスも上手く対応できないというような、模範生とはかけ離れたロースクール生活をしていました。ここまで非効率的な勉強をする必要は全くないのですが、こうした経験により、分からない問題にしがみつく根性を習得することができたし、非効率的な勉強を積み重ねることが、自分なりの効率的な勉強方法を発見するための唯一の手段である思うので、無駄な勉強ではなかったと自負しています(個人的には、(当たり前のことですが)予習よりも復習の方が大切であること、授業内容を規範として再構築し、論証集にまとめ直すという復習方法が効果的であることを切に学びました)。
 補助講師ゼミについて、最初はたくさん受講していても、途中から参加しなくなってしまう学生や、せっかくの答案添削の機会を放棄してしまう学生も多く(自分だけが唯一の答案提出者というゼミも多々ありました)、そうした状況をもったいないと感じていました。他方で、補助講師ゼミの活用により、自分の勉強計画をペースメイクすることができるため、少しキツいと感じる程度にスケジューリングすることが、量と質のバランスの観点から、最も効果的なのではないかと思いました(参考までに、私は、2年次は2コマ(補講ゼミを含む)、3年次は3コマの補助講師ゼミを受講し、途中でコマ数を増減することもなく、いかなる理由があっても、欠席しないよう心掛けました)。

以上

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