合格体験記 私の司法試験合格法
R.E
出身大学 早稲田大学 商学部
2011年 明治大学法科大学院(未修コース)入学
2014年 明治大学法科大学院(未修コース)卒業
2014年 司法試験 不合格(公法系科目足切り)
2015年 司法試験 不合格(総合2096位)
2016年 司法試験 合格(1055位)
1 短答の勉強法
タイプ的には短答と論文の勉強を分けて考えるタイプと短答の勉強を論文の勉強にも繋げるタイプに分かれると思う。私は前者でした。前者の人は過去問をとにかく繰り返しやるのがいいと思う。その際、体系別でやるもよし、肢別を使うもよし、過去問をダウンロードしてやるもよし。自分に合ってるものを見つけてください。私は、民法は体系別でやりながらたまに過去問を1日1年度分の1科目をまとめてやっていました。肢別は旧試験のものも入っていて難しく時間がかかりそうに感じたのでちょっとやってみてやめました。それでも今年度146点取れたので新司法の過去問をやっておけば少なくとも落ちることはないと思います。
2 論文の勉強法
最善の勉強法。それは勉強時間を確保することである。法律は建前やお決まりの作法など言語と同じで体で覚える的な要素があるので、勉強時間が長い方が当然受かりやすい。
例えば、刑法で過失犯を書くときなぜ主観はなにも書かないのか、住居侵入罪のときに故意はなぜ書かないのかはわかりませんが、みんな書かないので書かなくてよい。このなぜかはわからないが書かなくていいという感覚を体で覚えることが大切です。こういう法律自体の知識とは違う受験界のお作法を覚えることが合格への近道である(ただし、この受験界のお作法とされていることも人により微妙に違うから混乱を招いてこの試験は難しい)。だから、頑張ってとにかく勉強時間を確保してください。
絶対にやってはいけないのはインプットを終わらせてからアウトプットをしようとすること。インプットとアウトプットは同時進行でしていく。法的な知識だけでなく、それをどう書けばいいのかという書き方を身に着けることが大切。それは問題演習をしながら自分の信用できる先輩等に見てもらうといいです。
3 合格に役立つと思うこと
①勉強する上で注意することは、万人に合う勉強法はないということ。基本書読めば頭に入る人もいれば、予備校とかの論点がまとめてあるものをゴリゴリ覚える人もいる。受かった人の体験記を読んで、自分に合いそうな勉強方法を見つけることが大切である。
それと、自分に合った勉強方法がすぐ見つかるかはわからない。結果としてこの勉強法でよかったのかと後から振り返って思うことも多いからいろいろ試行錯誤してみるしかない。自分は、朝型か、夜静かな方が勉強できるから試験までは夜型でいるか、短答は百選を使って知識を参照しながら覚える方がいいのか、とにかく過去問を回す方がいいのかなど色々試してみてほしい。
自分に合った教材、勉強方法を見つけるためには時間がかかるため、結局、勉強をいっぱいした人からその方法が見つかっていくものである。
②過去問を舐めない。1回解いただけでやった気にならず、何回目でも意外と使い道はある。
③3回目以降になると受験を止めてしまう人も出てくるため一緒に勉強する人も減ってくる。しっかり、勉強して2回目までに合格を目指そう!
④今年も受かった人はほとんど学校で勉強していた人だったので家では勉強せず誘惑の少ない学校に来て勉強したほうがいい。
4 最後に~まだ挑戦を続けている同級生や後輩たちへ~
~同級生へ~
とうとう合格者が1500人台になり、ギリギリで落ちた人と1000番くらいの自分と実力差はほとんどない。もはや、運の世界であり、科目によっては自分よりできている同級生の再現答案を見ると人生の妙を感じる。
確かに、受かった面子を考えると、やはり頭がいいやつが多かったし、諦めなければどんな人でも絶対受かると軽々しくはいえない。
しかし、目指す以上は諦めないでもらいたい。ロースクールにいるから周りにゴロゴロ法曹関係者がいるが、世の中ではまだまだ司法試験に合格したというのはすごいことである。
実力をつければ必ずその努力は報われるはずである。応援している。
~後輩たちへ~
実はこれから言うことが、みんなにどうしても伝えたいことであり、今回合格体験記を書くことにした理由である。
俺の受験生活における最大の失敗は、いい年してヘラヘラしたまま2回目に落ちてしまったせいで、ともに勉強して1回目や2回目で受かった友達に気を遣わせてしまったことである。
そして、3回目に受かったときにはともに喜び合う友達はほとんどいなくなっており、誰かとともに合格を喜ぶタイミングを失ってしまっていた。
どうか、これを読んだ後輩たちは来年受かったとき、いや、もし落ちてしまったときであっても人前でも憚らずに泣くくらい勉強をしてほしいと思う。それは必ず自分の財産となり君をいつか合格に導くだろう。そして、受かったときはともに学んだ友達と抱き合って喜んでほしい。俺のようになるな。きみたちならできる。頑張ってください。
(H28.10.14執筆)