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合格体験記 私の司法試験合格法

芝野 由紀子

明治大学法科大学院 2012年卒業

 

1 経歴

 私は、高校時代から弁護士になりたいと考えており、都内私立大学法学部に入学し、卒業後は明治大学法科大学院既修者コースに入学しました。大学時代から予備校に通い、法科大学院に入学したものの、大学、法科大学院ともに成績は真ん中より下で決して良くありませんでした。自分も自信がなかったし、受からないよと言われたこともありました。短答式試験で2回不合格となり、3回目は論文で不合格となってしまい、やっと4回目に合格することができました。3回目の不合格から4回目の合格までに、勉強方法・精神面が変わったため合格できたと思います。

 

2 短答式の勉強方法

ア 短答式試験不合格の年の勉強方法

 周りの受験者が、過去問の問題集をやったほうがよいといっているにも関わらず、あまり過去問を重視して勉強していませんでした。また、短答式試験の過去問を、時間をはかって解くことをせず、目標点数を考えずにだらだらと勉強し、過去問を勉強した気になっていました。

イ 短答式試験合格の年の勉強方法

 短答式試験の合格の年は、問題集を短答過去問パーフェクト(辰巳法律研究所)に変え、一問一問を関連付けて勉強するようにしました。また、短答式試験の勉強だけではなく、解説に記載されている判例・趣旨などを読み込み、論文式試験でも書けるように勉強しました。とにかく過去問を繰り返して勉強しました。短答式試験合格の為には過去問をしっかり対策することが大事で、それで足りると思います。
 また、3回目の受験直前の4月に、友人と短答式過去問を解くゼミを行い、一日おきに一年分をやったりしました。時間をしっかり守ることが出来るし、次のゼミまでに復習をしなければならないため集中力を持って復習することができたと思います。
 上記のように問題集・過去問を使用して勉強し、復習のためにまとめノートを作りました。短答式試験用参考書の苦手な部分をコピーしたり、似たような問題できちんと区別が出来ていない問題などをノートにまとめたりして直前まで勉強しました。条文の素読もしました。私は2回短答式試験で不合格となっているので、足切りに合わないように直前まで継続して短答式過去問を解いていました。

 

3 論文式の勉強方法

ア 論文不合格の年の勉強方法

 論文に関しては、人がおすすめする基本書を読み、問題集をやればできるようになると思っていました。また、答練を受けていればできるようになると思っており、だらだらと勉強していました。

イ 論文合格の年の勉強方法

 2回目・3回目の不合格のあと、再現答案を合格した人に見てもらいました。自分の考え方と合格者の考え方がどのように違うのかを意識して復習しました。全科目を見てもらった人もいれば、科目別で見てもらうこともありました。再現答案を見てもらうだけでなく、受験直前まで継続して論文を見てもらった人もいます。
 4回目の受験のための勉強では、それまでと異なり答練・ゼミ以外でも答案を書きました。平均週5通位、直前期は毎日書いて多くの答案を書いたことで、答案を書く体力がつき、その上で自分の書きたいことを表現できるようになりました。この点、自分の書きたいように書くのではなく、出題趣旨・採点実感などから問題作成者が書いてほしいことを書くということを意識しました。それとともに、合格者に見てもらって自分が感じたこと、注意されたこと、法律・判例の理解や、書き方、苦手分野は放置しないで勉強するという勉強に対する取り組み方等、気をつけなければならないことを一個一個改善していくようにしました。週に何通か継続して書く事は、最初は苦しいものでしたが、昨日やったミスを次の日にしないようにするなど、自分の失敗や弱点を毎日意識しながら改善できるところがいいと思います。答案を書く事を苦手としている方もいると思いますが、一般的には、たくさん書いた方がいいと思います。

 

4 精神面

ア 不合格の年の精神面

 不合格だった、1回目2回目3回目の精神面は、常に自信がなく、自分なんてどうせ受からないと本当に思っていました。そうだとすれば、早期に撤退するという選択もあったと思いますが、弁護士になりたいとの思いは持ち続けていたため、勉強を続けていました。

イ 合格した年の精神面

 3回目の不合格のあと、本気で合格したいと考えを改め、合格するために何が必要かを真剣に考えました。自分で精神面が弱いということを感じていたため、精神面も改善する必要があると思いました。長期間継続して勉強するため、最終的に合格するためにはどうすればよいかと考えました。人にアドバイスをしてもらったり、精神面を鍛える本を読んだりもしました。さらに自分の人生の中で、うまくいっている人がどのように取り組んでいたかを思い返してみました。成長している人やうまくいっている人を思い返してみると、常にワクワクしながら取り組んでいたことを思い出しました。また、合格した友人も合格するつもりで勉強していたことを思い出しました。それに比べて自分は、合格するはずがないと思って勉強していたり、楽しんで取り組むという姿勢を持っていなかったことに気づきました。
 それに気づいてから、必ず合格するんだと思って勉強するようになりました。また、とにかく楽しんで勉強することを意識して、自分に言い聞かせて勉強しました。答練や模試でできないことがあっても、これができれば合格につながるんだと思って、落ち込まないで次に繋げるように意識しました。多くの受験生も合格しないのではないかと不安があると思います。しかし、今の自分では知識不足でどうせ今年は合格しないと思って勉強するよりも、これをやれば成長して次に繋がる、合格すると考えて勉強した方がたくさん吸収出来ると思います。

 

5 まとめ

 今年合格できた理由は、自分の弱点を一つ一つ改善するよう意識して答案をたくさん書いたこと、精神面を改めたことです。1回目から3回目まで本当に受からないと思って勉強していたので、精神面が鍵だったかもしれません。
 複数回受験の場合、みなさん自己分析をしていると思います。自己分析で得た自分の弱点を改善していくのはとても難しいことだと思います。しかし、合格者の勉強方法と自分の勉強方法を比較して、自分の弱点を一つ一つ改善していけば合格につながると思います。地道な一つ一つの改善が合格に結びつくと思うので、根気強く頑張って欲しいと思います。

以上
(H28.11.11執筆)

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