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合格体験記 私の司法試験合格法

川原 蓮

2012年明治大学法学部卒業
2014年中央大学法科大学院卒業

1 法曹志望の動機

 私は、女性であっても将来ずっと働きたいという希望があったことと、できれば社会や人の役に立つ仕事をしたいという思いがあったので、法曹資格を目指す決意をしました。
 法科大学院を卒業後、1度目の司法試験受験では2000番台で合格に届かず、2度目の受験では500番台で合格することができました。ここでは、自分の失敗も含め、少しでも有益になる情報をお届けできればと思います。

  

2 短答の勉強方法

 私は短答がとても苦手であったため、1度目の受験から受験勉強の多くの時間を短答にあてました。それでも1度目の受験では短答の結果は、足切りぎりぎりであったことから、2度目も短答対策に手が抜けませんでした。
当時は、自分は短答が苦手なだけで、論文は他の人よりも書けると思っていましたが、今から考えると短答が苦手な人は、あいまいな知識のまま論文を書いているので、司法試験のような難易度の高い問題では、論文でも根本的なミスをし、安定した結果が出ないと思います。
 短答が苦手と感じている人は、ぜひ現実を受け止め、知識の定着のために時間を惜しまない努力をした方がよいと思います。
 私は、短答対策として、特に苦手な民事系の科目については、肢別本を解き、後は全科目過去問を繰り返し解きました。司法試験は、同じ問題が繰り返し出ているので、少なくとも過去に出た問題は、絶対落とさないぞという気持ちで解いていました。また過去問は、結論が合っていることだけではなく、必ず解説を読み、なぜそのような答えになるか確認するようにしました。最終的に過去問について、解説を見なくとも正解の理由がいえるようになるまで繰り返し解きました。
 短答が苦手な人は、他の人よりも同じレベルになるまで時間がかかるかもしれませんが、それでもかけた時間に比例して着実に実力がのびていきます。受験時代、短答の勉強は最も辛い時間でしたが、短答のレベルが上がると同時に論文の実力も自然と上がったと思います。

  

3 論文の勉強方法

 論文は、まず過去問を繰り返し起案しました。過去問は、本当に良問ですので、何度起案しても新たな発見がありますので、繰り返し起案し、過去問の奥の深さを味わってください。
 過去問を起案した後は、採点雑感等の司法試験委員が出している資料を何度も読み込みました。論文も実は同じような思考方法が何度も繰り返し聞かれたりしているので、過去問は本当によく研究しました。一緒に勉強する仲間がいれば、過去問について議論することも、自分一人では気づかない切り口が見えて有益です。
 判例百選も何度も読みました。特に重要な判例は、解説を含めて何が問題になっているのかを意識するようにしました。論文問題は、判例百選に載っている判例を題材にひねってくることが多いので、問題の本質がわからないまま結論だけ覚えていると、試験委員が聞きたい本質に触れられないまま判例の結論を示しただけの内容の薄い答案になってしまい点数がなかなか延びません。
 判例の結論を知っていることは当然として、どうしてそのような判断に至ったかを深く知っていれば、事例の微妙な違いに気づき、一歩進んで考えたことが現れた豊かな答案が書けると思いますので、重要判例については、判断に至る過程を十分意識しながら勉強するとよいと思います。
 予備校の答練もペースメーカーにはなります。ただし、問題の質や採点表の作り方、採点者の好みで点数が変わりますので、採点結果に一喜一憂せず、時間管理や、わからない問題にぶつかった際の切り抜け方等、目標を明確にして受けるとよいと思います。

  

4 直前期

 直前期は、身体を休めるようによくいわれることですが、実は結構難しいです。試験への思いが強い人ほど直前期は休む気持ちになれず、詰め込みすぎて体力を消耗しがちです。
 私は、一度目の受験で直前に夜遅くまで詰め込んだせいで、試験本番の3日目には緊張と疲労困憊で論文を書く手が震えたほどでした。当然頭もうまくまわらず、いい結果が出ませんでした。
 今までやってきたことを信じ、少なくとも試験の1週間ほど前からは早めに家に帰り、お風呂に入り、十分睡眠をとるようにすることが本番のパフォーマンスを上げる最善の道ですので、直前期はとにかくよく休んでください。

 

5 最後に

 受験勉強は、一部の勉強が得意な人以外にとっては、長く苦しいものであり、孤独な闘いでもあります。時にはなかなか結果が出ないことに自信をなくし、挫折してしまいそうになることもあるかと思います。
 私は、ロースクールの成績や模試の成績がいい方だったので、1度目の受験で不合格だったときはなかなか現実が受け入れられず、精神的に不安定な状態が続きました。
 しかし、どうして法曹になりたいのか、なってから何をしたいのかを強く具体的に意識することによって、なんとか自分を振るい立たせることができました。
今は弁護士になって2年が経ち、まだまだ仕事に慣れず大変だと感じることもありますが、やはり弁護士として仕事できている喜びを感じていますし、辛い受験勉強生活を乗り越えて本当によかったと思っています。
 辛くて不安な日々を乗り越えた先に、大きな喜びと感動が待っているはずですので、信じて頑張ってください。応援しています。

 

以上

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