合格体験記 私の司法試験合格法
大原 宏晶
2016年 明治大学法科大学院卒業
第1 司法試験合格を目指し、法曹を志望した理由
私は,小学生の時にテレビドラマ「HERO」を見て,久利生公平という検察官の姿に憧れを抱きました。その後,中学生時の職場体験で法律事務所を訪問し,そこで働く弁護士たちの「人を助ける姿」を間近で見て,法律家になろうと決意しました。これが、私が司法試験を目指し、法曹を志望した理由です。
第2 司法試験の勉強方法
1 短答式試験の勉強方法
短答式試験の勉強方法は、過去問をひたすら繰り返すことに尽きると思います。
具体的に私が行った方法としては、新司法試験の過去問を全部コピーして、その問題に直接、オレンジ色のペンで解答を書き込み、赤色シートでその解答を隠せるようにします。
あとは、1日に一年度分(3科目)を目標にして、毎日午前中の時間を使ってどんどん解いていきます(その際、解答は赤シートで隠します)。そして、解いた直後に、赤シートを取って、答え合わせをします。
不正解だった問題にチェックを付け、苦手な問題は何かをすぐに把握できるようにしておきます。また、不正解だった問題に関する条文・判例を判例六法にチェックを入れておき、直前期(受験年の4月以降)にメリハリをつけて見直せるようにしておきます。
これをひたすら毎日繰り返すことで、少なくとも最低点を下回ることはなくなると思います。
2 論文式試験の勉強方法
論文式試験の勉強方法も、過去問をひたすら繰り返すことに尽きると思います。過去問分析を徹底的に行い,試験委員の求めているものを把握し,司法試験受験日までにやるべきことを選別するべきです。
私は、明治大学の法務研究所が行う司法試験過去問答練を受講し、司法試験過去問の分析を徹底して行いました。この答練は、明治大学ロースクールの教授が過去問の中から重要度が高い問題を出題してくれ、さらに解説講義までしてくれます。この答練を受け、出題の趣旨と採点実感を読み,司法試験委員が何を求めているのかを徹底して分析しました。それを把握した上で、何度も何度も同じ過去問を解きました。
以上の勉強以外にも、重要かつ基本的な論点(ロースクール卒業生であれば知っているレベル)の勉強もしました。
具体的には、旧司法試験の過去問を論点ごとにまとめてくれている演習本1冊を何度も何度も繰り返し解き、暗記するとともに、論点を理解するために、よくわからない論点については、必ず基本書に立ち返り、確認しました。その時、意識的に注意していたのは、その論点が、どの条文のどの文言に関してのものかを意識しました。必ず条文からスタートさせるという意識です。この意識は、どんなに優秀な人であっても忘れてしまうものなので、徹底して意識するようにしました。
3 まとめ
⑴ 短答式試験
平成29年度の短答式試験について,各所で難化したと言われておりましたが,私は,過去問を繰り返し解くことで,本番でも十分な得点をすることができました。細かい知識を身につけるよりもまずは過去問を解くことが重要です。
⑵ 論文式試験
私は,二度の受験を通して,論文で、何を,どこまで,どう書けばいいかというのが一番重要だと感じました。知識がたくさんあっても,二時間という制限時間の中では,それをそのまま書くことは不可能であり,実践的な形で知識をインプットし直す必要があります。
この実践的な形で知識をインプットするには,過去問を解き,徹底的に分析する必要があると思います。
第3 最後に
試験前にやっておけばよかったと思ったことは、記憶の作業をサボってしまい,試験1ヶ月前になってようやく始めたので,本当に焦りました。記憶の作業は,もっと早く,少なくとも年明けから始めるべきだったと感じました。
私は,短答,論文通して,過去問を分析し,解くということ以外の勉強をしておりません。したがって,まずは,過去問を解いてください。過去問の年度を言われるだけで,解答の筋が頭に浮かぶくらいになって初めて,演習書などに手をだしてください。とにかく過去問をやってください。それに尽きると思います。