私の司法試験合格体験記
K. W.
1.簡単な経歴、法曹志望の動機
2003年3月に明治大学法学部を卒業
2004年から公務員として勤務
2016年に成蹊大法科大学院既習コースに入学し、2018年同校卒業
2019年司法試験最終合格
家庭があり受験時代は2人(今年6月に3人目が誕生)の子持ち
法曹志望の動機は、叔父が弁護士であり話を聞いているうちに弁護士になりたいと漠然と思うようになりました。そこで、叔父と同じ大学に入学し、法曹を目指しました。
しかし、学部時代は思うような成績を残せず、一旦は法曹になることを諦め就職をしました。
仕事に関する不満は特になかったのですが、弁護士と接することが多い職種であり、自分の職務では決して踏み越えることのできない資格という境界線が弁護士との間にはあることを痛感し、法律の専門家として弁護士と同じ土俵に立ちたいとの思いが強くなり再び法曹を目指しました。
2.短答式の勉強方法
私は、短答式試験に関していうと問題を見るだけで拒絶反応が出てしまうほど苦手意識がありました。そのため、無意識に短答式試験の勉強を避けるようになっていました。ただし、民法に関しては苦手ながらも大学院1年から毎朝1時間程度問題を解いて間違ったところをテキストに戻って確認するという作業を行ってから仕事に行くことを日課としていました。
使用する問題集は何でもいいと思いますが、時間の制約がある私のような受験生には「伊藤真の演習短答過去問」が素早く回すことができるのでお勧めです。
また、私が言うのは説得力に欠けますが、民法、刑法の短答は過去問をやればやるほど高い点数で安定するようになるものだと思います。その意味で短答対策は民法、刑法を高いレベルで早い段階で安定させた方がよいと思います。
3.論文の勉強方法
司法試験において論文試験は天王山です。どんなに知識があったとしても2時間という決して長くない時間の中でそれなりの文章を書くことが出来なければ試験に合格することはあり得ません。そのため、論文を書く際には時間管理には気をつけていました。具体的には、答練でも本試験でも、配点に従い書くページ数と時間を問題文に記載し、その通りに論文を完成させることを意識していました。その甲斐があってか途中答案で終わるということは2回の本試験において1通もありませんでした。
また、答案の型を体に叩き込むという観点から、自分の感覚に合う優秀答案の写経を本試験の前日まで毎日1ページ行っていました。これにより、筆力が上がると同時に、試験委員受けする答案の書き方が学べたように思います。
とにかく論文の勉強についてはある程度知識がなくても早い段階から書くことが重要であると思います。
4.その他合格に役に立つと考えている方法がある場合はその方法
司法試験は、ゴールを見据えずにただ漠然とやると、いくら時間があっても合格に至らない恐ろしい試験だと思います。今、何のために問題集をやるのか、基本書を読むのか、過去問を解くのか、それは全て司法試験合格のために行うことになるのですが、そういうことを意識して取り組むことが大切だと思います。
また、無駄に手を広げすぎないということも重要です。ネットを見ればどの教科書(予備校本)、問題集がいいなどといった情報が溢れているため、それを目にすると不安になることもあるかと思います。しかし、自分がこれと決めた教科書等があるのならば、浮気することなく何度も何度もそれらを繰り返すべきであると思います。
そして、何より重要なのは最後まで諦めない強い気持ちです。受験期間中は自分の勉強方法や将来に不安を感じ、司法試験の勉強を辞めてしまいたいと思うことがあると思います。その時は、身近に合格者がいるのであれば相談して不安を解消することが大切です。
また、試験中はもうダメだと思う瞬間が何度もあると思いますが、そこで気持ちを切らさず最後まで書き切ることができるかどうかが勝負を分けるといっても過言ではないと思います。
5.最後に
私は当初の予定からは合格までにかなりの時間を要しましたが、司法試験は正しい方法で地道に勉強しさえすれば合格することができる試験であると思います。
この体験記が受験生の皆さんの一助となれば幸いです。受験生の皆さんの合格を心より祈念しております。頑張ってください。