合格体験記 私の司法試験合格法
田坂 尚樹
1 経歴、法曹志望の動機
2014年3月 龍谷大学法学部法律学科卒業
2014年4月 明治大学法科大学院入学(既修)
2017年3月 明治大学法科大学院卒業
2021年1月 司法試験合格
高校の時、友達が漫画家やミュージシャンといったクリエイターを目指していたことから、彼らの権利を守れるような人になりたいと考えていました。そこで、そのような人材について調べたところ、クリエイターには著作権という権利があることと、弁護士が主にその役目を担っていると知り、著作権に強い弁護士を志望するようになりました。
2 短答式の勉強方法
《使用教材》
『司法試験・予備試験 体系別短答式過去問集』(早稲田経営出版)
私の場合は過去問集の選択肢が限られていましたが、すでに改正民法に対応したものが多く出版されているため、受験生の方は自分の気に入ったものを選べばよいと思います。
《使用方法》
そして司法試験の過去問をひたすら解いてまわすということを行いました。今年だけで3~4周は解答を行ったかと思います。特に私が短答式で意識したのは、5肢択一の問題をただ漫然と解くのではなく、肢ごとに正誤を検討し、かつ理由付けも正確におさえていくことです。これにより、普通に解くより正確に学ぶことができ、正誤は正しいものの理由付けが間違えていた、そもそも正誤が分からなかったといったものを認識できます。そのため、より豊富に学ぶことができ、学習効果の高い勉強法です。もし短答式の勉強に悩んでいる方がいましたら、是非真似してみてください。
3 論文の勉強方法
①基本的な論点を繰り返すこと及び②合格者に答案を見てもらい、自分の書き方を修正することを行いました。
①基本的な論点を繰り返すこと
《使用教材》
メイン『重要問題習得講座』(アガルートが提供する講座)
『知的財産法演習ノート』(小泉直樹ほか)
『予備試験論文式問題と解説』(受験新報編集部)
サブ『憲法学読本』(安西文雄ほか)
『基本行政法』(中原茂樹)
『民法講義録』(新井誠、岡伸浩)
『会社法』(岡伸浩)
『基礎からわかる民事訴訟法』
『基本刑法Ⅰ,Ⅱ』(大塚裕史ほか)
『リーガルクエスト刑事訴訟法』(宇藤崇ほか)
『特許法入門,著作権法入門』(島並良ほか)
《使用方法》
重要問題習得講座や知的財産法演習ノートでは、問題の中に基本的な論点があり、また、問題ごとに参考答案もあるので、どのような事実から論点を見つけだすか、どのような書き方を行うかを学べるのでお勧めです。
私は、メインの教材の問題を見る→別の白紙に答案構成を書く→参考答案を見て論点や規範に誤りがないかを確認するといったことをひたすら繰り返しました。
そして、参考答案や問題となる論点で分からなかった部分はサブの教材を用いて理解するまで調べるということを行いました。基本的な論点をしっかり書けるようになると合格がグッと近づくので、この方法は非常に役に立ちました。
②合格者に答案を見てもらうこと
4 合格に役立ったこと
(1)合格体験記を読む
(2)演習書の裁断
業者に頼めば1冊100円程度で裁断してくれるので、リーズナブルに勉強中のストレスを解消できるので、是非やってみてください。
(3)1日ごとの復習
1日10分ほど、前日に解いた問題を見て復習するようにしました。これにより記憶の定着がスムーズになり、確実に自分の頭の中に知識を埋め込んでいくことができるようになりました。
(4)試験途中はしっかり休憩の時間を作る
試験の合間に休みなく勉強する人も多いですが、私は意図的に休憩の時間を作るようにしました。勉強も大事ですが、休憩の時間を作らないと次の試験時間中に疲れが出てしまうこともあります。私の場合、試験会場から離れた場所に座り、5分程目を閉じることで休憩をしていました。
(5)マスクをして答案を書く
コロナの影響が長引くと、今後もマスクを着用して試験に臨まなければならないでしょう。そのため、試験と同じ環境で起案するため、あえてマスクを着用して起案を行いました。当日マスクを着用した状態でも落ち着いて答案を書くことができたので、是非本試験でマスク着用が予想される場合は真似してみてください。
(6)図書館で勉強する
私はスマホやパソコンが身の回りにあると、ついつい遊んでしまうような誘惑に弱い人間です。そのため、3年目の試験終了後はそのような弱さから脱却するため、図書館での勉強をメインにすることにしました。私でも集中力を欠くことなく勉強できたので、おすすめです。
5 最後に
このように、基本的なことをしっかりやっていけば司法試験の合格は難しくありません。私のように合格体験記を参考に受験戦略を立てることもできます。もしこれを読んでいる方が少しでも勉強の参考になるようでしたら、大変光栄に思います。是非合格を勝ち取ってください!
以上