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合格体験記 私の司法試験合格法


土井 真由美

土井法律事務所
〒101-0021
東京都千代田区外神田4-9-7-1402
FAX:03-6745-9561
  
明治大学法学部卒業
2013年愛知大学法科大学院卒業

第1 はじめに

 私は、明治大学法学部卒業後、証券会社に勤務し、退職した後は長く専業主婦をしていました。勉強からも社会からも長らく離れていた少数派受験生の私が、3回目の受験で合格するまでの経験を以下に述べたいと思います。
 

第2 勉強方法について

1 論文試験に向けての勉強法
(1) アウトプット

 「司法試験は書面審査であるため、自分の理解・思考を答案上に表現できなければ点数ならない。」
 これは日頃から、色々な方にご指導いただく中で何度も言われていたことです。私が卒業した法科大学院では、自主ゼミなどを組んで、本試験の過去問や本試験の問題と同等のボリュームの問題について、最低でも、2年生では週2通、3年生では週3通の答案を、本試験と同じ2時間で書くことを実践していました。そして、答案を書いた後は、答案をお互いに回し読みし、議論しました。時間不足になった途中答案や大外しをしてしまった答案は、人に見られたくないと考えてしまいがちですが、その点はみんな割り切って、晒すことにしていました。
 答案を時間内で書き、出来の悪い答案を人に晒すことは、自分の弱点と向き合う辛い作業ですが、「自分の現状と向き合い、合格水準との差を埋める。」ためには、この方法が最も効果的で、避けられないものだと思います。
 このように、法科大学院在学中は強制的に答案を書くことを習慣としていたのですが、強制的に答案を書く機会がなくなった卒業後は、いろいろな理由を付けては答案を書くことを避けてしまいました。この作業を怠ると、答案を書く力は、短期間で恐ろしいほどに衰えてしまいます。さらに、司法試験の合格答案を書くというゴールを忘れてしまうおそれがあります。実際に、2回目の受験では、実質途中答案を含めれば、全ての答案が派手な途中答案となってしまいました。
 その反省から、2回目の受験の後は、6月~8月、10月~2月と予備校の答案練習会で強制的に答案を書く機会を設けるようにしました。

 
(2)インプット

 1回目の合格発表の後、再現答案を法科大学院先生や複数の合格者に見てもらいました。いろいろなアドバイスを頂いた中で、「法律論が疎かである。」「定義規範など受験生が当然記憶すべき事項を地道に記憶する努力を怠っている。」との厳しい指摘を受けました。そこで、短時間で全体を回せるように、まとめノートを作成することにしました(短時間で回せなければ、最初に読んだことを忘れてしまうためです)。このまとめノートは、11月頃から作成にとりかかりましたが、一気に完成させようとしたため、ノート作成という手段が目的化してしまうという大失敗に終わってしまいました。
 この反省から、2回目の受験の後は、目次を作り、そこに演習などで得た知識を少しずつ入れて情報を一元化するという方法をとりました。考えたことをその都度文章化する作業をすることで、頭の整理に役立ちました。

 
(3)事実の適示と評価

 新司法試験の問題文には、たくさんの事実が含まれています。法律論は本試験で間違えてしまうことはありますが、事実の適示と評価は、法律論とは関係なく全科目共通のものでありしかも間違うことはありません。本試験の問題文に事実が沢山含まれていることから、そこに相応の配点があることは確かでしょう。私は、とのかく「落ちない」ために、法律論の部分よりも、この事実の適示と評価を丁寧に行い、点数を稼ぐ方針をとりました
 そのための勉強としては、本試験の優秀答案を、事実の適示と評価で色分けしをして、分析し、良いところは真似をしました。そして、分析していく中で、優秀答案であっても、事実の適示と評価の間が飛んでいることが意外に多いことがわかました(例えば、「個人の手帳に書いてある→真実である可能性が高い」という記載は、「個人の手帳に書いてある→(通常個人の手帳にわざわざ嘘を記載する必要性がないから)→真実である可能性が高い。」とすることで間が飛ばない丁寧な評価になります。)。この間を飛ばさないことを心がければ、他の受験生と差をつけることができると考え、本試験の問題を題材に、時間無制限で事実の適示と評価に力を入れた答案を作成して、弁護士のОBにご指導いただくというゼミを2年間行いました。
 このゼミがなければ、私の合格はなかったと考えています。実際、私は、合格した年の本試験で、問題文の読み間違いなどがあり、かなりの失点をしたはずですが、この事実を重視する姿勢に救われたのだと思います。

 
(4)敗因分析

  2回目の試験は、準備不足から直前期に焦ってしまい、勉強が手に付かない妙な精神状態で迎えることになり、とうとう後半には体調を崩してしまいました。試験中に既に不合格を確信していたので、試験後すぐに一年間の自分の行動を振り返り、失敗した原因を分析しました。そして、それを文章にして、ロースクールでお世話になった先生と、先に合格した友人に見てもらい、辛口のアドバイスをいただきました。
 この作業は傷口に塩を塗るような辛いものでしたが、この時にしっかり自分と向き合ったことが今回の結果につながったのだと思います。
 複数回受験を控えている方にとっては、この敗因分析の作業はとても重要になってくると思います。時間が経ってしまうと、つい自分に甘くなってしまうので、できるだけ早めに始めるべきです。

 
2 短答試験に向けた勉強法
 短答試験で一番大切なことは、とにかく落ちないことです。落ちないために短時間でまずは合格点を取れるようにする勉強法として、私が取った方法をご紹介します。(大量の知識を長時間記憶し続けることができる方は読み飛ばしてください。)
 

・民法 過去問を解くのではなく、過去問の選択肢の組み合わせから、答えを出すために必要な肢はどれかを探します。同じ分野を通年で見てみると、答えを出すのに必要な知識は意外に少ないことがわかります。この知識が条文の文言であれば司法試験六法にマークし、判例であれば余白に書き込みます。私は旧司法試験の過去問に遡りこの作業をしました。この作業は時間がかかるようでいて、知識を絞ることになるので一度やってしまえば後が楽です。
(判例六法を使用しなかったのは、条文が離れてしまうことがあり、条文同士を比較して読むことができないからです)。
 さらに、私はビジュアル化すると記憶しやすいので、分野ごとに簡単な図(いわゆるマインドマップのようなもの)を作成しました。例えば、親族相続だとB5用紙3枚の色とりどりの図にまとめてそれを見て記憶しました。
民法全体で10枚くらいの図にまとめてそれを直線まで見ていました。

 

・憲法 人権は、辰巳の過去問集の解説を判例集代わりに使用しました。
統治は、民法と同様に過去問を検討して知識を絞り込み、国会・内閣・裁判所という機関の関係を意識した図の形で知識を集約しそれを覚えました。
 

・刑法 論文の勉強がそのまま役に立ちました。

 

・予備校の模試は細かい知識を知らなければ答えを出せない場合があります。そのため、過去問を分析する前に受けることは、知識をむやみに広げてしまうことになりかねないので、避けたほうがいいと思います。最小限の知識以外は、条文の趣旨や「民法はそんなことを言わないはず」「三権分立からすると」というように現場で考えることで対応していました。

 

・短答試験は、最終日に実施されるため(私の受験当時)、心身ともに疲れ果てた状態で受けることになります。人は疲れると、普段は絶対にしないようなあり得ないミスをします。特に、体力に自信のない人、注意力に自身のない人は、本試験では-20点は覚悟しておくべきです。それを踏まえて準備していました。

 

第3 役に立った基本書・参考書・授業のレジュメなど

私は、厚い基本書をほとんど使用しませんでした。
 
1 憲法
  「憲法ガール」大島義則、
  「憲法の流儀」伊藤たける(講義)
  ・「憲法」芦部信喜著・髙橋和之補訂は、初学者の段階で通読しました)
 
2 行政法
  「行政法ガール」大島義則、「事例研究行政法」
 
3 民法
  「民法概説」司法協会、旧司法試験短答過去問(論文の勉強としても使用)
 
4 会社法
  「会社法事例演習教材」前田雅弘他(第1部のみ)
  「商事関係訴訟」リーガルプログレッシブシリーズ
  辰巳「趣旨規範ハンドブック」
 
5 民事訴訟法
  「解析民事訴訟法」藤田広美
  「基礎からわかる民事訴訟法」和田吉弘
 
6 刑法
  ロースクール教授作成の演習問題、
  「ロースクール演習刑法」大塚裕史、「刑法事例演習教材」
 
7 刑事訴訟法
  ロースクール教授作成のレジュメ・演習問題
 
8 選択科目(租税法)
  「スタンダード所得税法」佐藤英明、租税法判例百選
  「租税法入門(法学教室ライブラリィ)」増井良啓(法人税法部分)
 
9 論文全般
  辰巳論文10人本、分析本
 

4 おわりに

 受験生活は、このまま合格できないのではないかという不安との戦いでした。私の本体験談が、そんな皆さんのお役に立てれば幸いです。

以上

 

尚、合格体験記についてご質問がある明治大学の受験生は☏、メール、FAXで事務所までご連絡ください。お名前、電話番号、メールアドレスを必ず付記してください。電話またはメールでアドヴァイス致します。