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合格体験記 私の司法試験合格法

成澤 広慈
 

1 簡単な経歴

 私は,2012年に青山学院大学法学部を卒業後,2014年に明治大学法科大学院を修了しました。2014年,2015年の司法試験にいずれも不合格になり,2016年に3回目の受験で合格することができました。今回は,主に複数回司法試験を受験している受験生に向けて,少しでもお役に立てればと思い,合格体験記を執筆致しました。

 

2 短答式の勉強

 私は,短答の勉強が嫌いでした。1回目,2回目と基準点を取ることができましたが,いずれもギリギリでした。そこで,3回目の受験をするに当たり,いつまでも短答の勉強が嫌いとか面倒くさいとか言っているのはよくないと思い立ち,140点を目標にして,できるだけ高い点数を取ろうと考えました。

⑴ 民法について

 私は,短答の勉強が嫌いでした。1回目,2回目と基準点を取ることができましたが,いずれもギリギリでした。そこで,3回目の受験をするに当たり,いつまでも短答の勉強が嫌いとか面倒くさいとか言っているのはよくないと思い立ち,140点を目標にして,できるだけ高い点数を取ろうと考えました。

⑵ 憲法について

 憲法は,統治分野は,民法と同じく逐条形式のテキストを利用し,条文や有名論点の対立などはおさえるようにしました。人権分野は,判例の量が膨大なので,判例のフレーズをそのまま暗記するような勉強はやめました。もちろん勉強している間に覚えてしまうフレーズや,論文で使う限度で覚えるようなフレーズはあっても,短答のために細かい言い回しを覚えるようなことはしませんでした。それよりも,それぞれの判例の流れを理解するようにして,問題を解く際に,「判例がこんなこと言うわけないな」,というように,判例の相場観を身に着けるようにしました。この結果,憲法も8割以上の点数を取ることができました。

⑶ 刑法について

 本来,刑法が受験生にとって一番取り組みやすく,点数の分布も高い位置になることが多いのですが,私は刑法の短答が苦手でした。対策としては,憲法同様,逐条形式のテキストの読み込みを行ったのですが,刑法は出題形式が憲法,民法と異なり,見解問題や穴埋め問題もあるので,問題演習を多くこなし,出題形式に慣れるのがよいと思います。私は問題演習を怠ったため,民法や憲法ほど点数が伸びませんでした。
 全体として,目標には届かなかったものの,140点に近い点数を取ることができました。今まで基準点ギリギリだったことを考えると,3回目は飛躍的に伸びたと思います。短答が苦手で面倒で嫌いだった私ですが,対策をすれば,合格者平均以上を取ることも可能だと実感できました。
 短答の勉強方法は,肢別本だけでいい,過去問だけでいい,網羅的なインプットが必要だ,というようなことが様々言われていますが,結局どの方法を採った人でも点数を取っているので,結局は自分自身に合った勉強をすれば,少なくとも基準点には達すると思います。論文式の勉強がメインだと思いますので,短答に時間をかけすぎないようにすることも大切です。

 

3 論文式の勉強方法

 2回目の司法試験に不合格になった際,明治大学法科大学院に在学中,エクスターンシップでお世話になった弁護士の先生から,「落ちるには理由があり,それを真正面から受け止めてきちんと対策をとる」ことが重要であるという優しいメールをいただきました。私は迷ったらこの言葉に返って勉強していたのですが,結局論文の勉強は,これが一番重要であると実感しています。
 大前提として,市販の論証集に載っているような論証を完璧に書けること,というのは必要だと思います。完璧に書ける,ということは,単なる丸暗記ではなく,その論点を理解し,事案に応じて短縮して書けるということです。論証が書けていない答案は,あてはめもふわふわし,全体的に締まりのない答案になります。「論証パターンの貼りつけは悪だ」という風潮もありますが,どんな問題でもパターン化して貼りつけるのが悪なのであって,基本論点について適切に処理できることは必要だと思います。そのための方法論として論証を使うことは決して悪ではないと思います。
 もっとも,論証が書けることが大前提であったとしても,予備試験を経由した短期合格者が出ている以上,司法試験の本質は知識量ではないと思います。量ではなく,今ある自分の知識を答案上で表現する,知識の使い方の方が重要であると考えています。
 私は,2回目までである程度知識に関しては劣っていないと考えていたため,知識よりも書き方を変える勉強をしようと考えました。
 そこで,友人と自主ゼミを組んで,司法試験の過去問を平成18年から直近まで書き,お互いの答案を読みあって自身の悪い癖を修正していきました。その際,再現答案を利用して,どこまで書けばいいのか,ということを把握しました。ほとんどを合格発表から年内で書いたため,毎日のように答案を数通書くような日々で辛かったですが,この作業が実力を底上げしてくれたと思います。また,予備校主催の外部のゼミにも参加し,徹底的に自分の答案のダメだしをしてもらいました。自分自身の欠点は自分ではよくわからないものですが,他人に指摘してもらったことを素直に受け入れることも重要だと思います。
 なお,問題演習の素材は司法試験の過去問をやるとよいと思います。学者の書いた演習書も多く出版されていますが,現行司法試験の過去問も10年貯まり,これを検討,分析するだけで受験生としては手一杯だと思います。過去問は解くだけでなく,再現答案の分析をしたり,自分の答案と合格答案との乖離を検討したりしなければ,やりっぱなしとなり学習効果を望めません。優先順位でいえば,司法試験,予備試験,旧司法試験の過去問が最優先で,余裕があれば演習書に手を出すとよいと思います。
 以上のような,問題演習と弱点・欠点の指摘を繰り返しながら,各科目の特性をしっかりと頭に入れることで,少なくとも不合格にならない答案とはどのような答案なのか,ということを肌感覚で理解できるようになると思います。

 

4 最後に

 最初にも書きましたが,以上のような短答式,論文式の勉強方法は,主に複数回受験生に向けて書いたものです。というのも,1回目ですっと合格していく人もたくさんおり,その中には勉強の方法面において悩みなく合格する人もいるからです。このような人であれば,方法論を重視する必要もないでしょうし,自身が行ってきた勉強を疑うこともないでしょう。しかし,1度でも司法試験に不合格になってしまった人はそうもいきません。自分がやってきた勉強方法を1度疑う必要があります。今まで一生懸命やってきた勉強方法を疑い,間違っていたと判断して方向転換する,ということは,自分の弱い部分と真正面から向き合うことになるため,非常に難しいことです。予備試験を経由した短期合格者が出ていることは前述しましたが,受験生活が長引いてしまう人の特徴は,自分のスタイルを正しい方向に変えることができない点にあると思います。自分自身と向き合うことで,自分の勉強スタイルや,答案のダメな部分が浮き彫りになり,対策を立てやすくなります。一番よくないのは,こういったことを何も考えず,「とりあえず」何かをやる勉強です。とりあえず肢別本を何問やる,とりあえず演習書を何問解く,といった目的意識の欠如した勉強では受かるものも受かりません。勉強しているのだけれども合格できない,という複数回受験生にありがちな状況に陥ってしまいます。あくまでも短答式で基準点を取ること,論文式で合格答案を書くこと,という目標から逆算した勉強をするよう心掛けてください。不合格になる要因を排除し,合格する要因を突き詰めて考え,実行することが合格につながります。私も,日々の勉強は,将来も見えず,辛く厳しいものでしたが,合格の喜びは何にも代えがたいものです。是非合格を果たしてください。

以上
(H28.11.24執筆)