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合格体験記 私の司法試験合格法

沼里 祐太
明治大学法学部2012年卒
中央大学法科大学院2014年修了
平成27年度司法試験合格
(選択科目:労働法)
ambitious55757@gmail.com

第1 はじめに

私は,2度目の受験で司法試験に合格しました。この合格体験記は,勉強に悩んでいる方,特に司法試験に不合格になり悔しい思いをされている方に向けて,私の経験を少しでも役立ててほしいとの想いから執筆しています。

第2 勉強方法

1 第1回目の受験の失敗を振り返って

私は,明治大学を卒業し,中央大学法科大学院に入学してからというもの,司法試験の合格を目指して“勉強”をしてきましたが,それが結果につながらなかった一番の要因は,“司法試験を意識した勉強”ができていなかったことにあったと思います。ここでいう“司法試験を意識した勉強”というのは,テクニカルな試験対策のことを言っているのではなく,司法試験ではどういうポイントが聞かれるのか,どういう点に気を付けて論述すればいいのかなどを意識して勉強するということです。私は,こういうことを特段意識せずに漫然と勉強をしていた結果,法科大学院の授業の予復習にただ追われるというような生活をしていました。当然ながら,ロースクール終了後に受験した司法試験でも,勉強の成果を出すことができませんでした。
 以上のように,1回目の受験失敗の原因は,司法試験に対する意識の低さにあったと考えています。そこで,私は,2回目の受験に向けて敗因分析をしっかりとしたうえで,以下のような勉強に意識的に取り組みました。

 
2 短答の勉強方法について

ア 条文の素読
短答については,1回目の受験のときから自信がありました。1回目,2回目ともに上位10パーセントの成績をとることができました。皆さんには,条文の素読を是非ともお勧めいたします。短答式の場合,条文と判例の知識さえあれば解ける問題がほとんどだからです。ただし,条文の素読をする際には,ある程度,短期間に集中して行った方が効果的だと思います。例えば,民法でいえば,占有者による費用の償還請求(民法196条)と賃借人による費用の償還請求(同法608条)は,条文構造が似通っていますが,償還請求の時期には相違があることをご存知でしょうか。しかし,これらの条文に目にする時期が離れてしまうとこのようなことに気づくことができません。
また,条文の素読をする際には,その条文に関する重要な学説や判例(判例付きの六法のほうが効率的です。)が理解できているかどうかも自分のなかで確かめながら読み進めていってください。
時間はある程度かかりますが,着実に知識を身に着けられるので,私は,ロースクールの長期休みや試験前にも時間を作って集中的に条文の素読をおこなっていました。
 
イ 過去問
 また,私は,論文対策の息抜きとして新司法試験の過去問全てを解きました。なお,今年度から短答式は憲民刑の3科目になったので過去問もその3科目が中心になりますが,他の科目についても少なくとも過去3年分は目を通しておき,論文対策の一つとして活用してください。短答式では,確実に8割は得点できるように準備をしておいてください。

 
3 論文の勉強方法について 

ア 敗因分析
むろん,短答式ができたとしても司法試験には合格することはできません。私は,論文に難があり,全くと言っていいほど得点につながっていませんでした。敗因は明らかでした。法的三段論法ができていない,すわなち,規範には理由付けがなく,また,事実を羅列しただけの文章になっていて,推論の過程が示されていないという欠陥のある論文になっていました。もっとも,法的三段論法で書きなさいということは耳にタコができるほどアドバイスされてきました(司法試験の採点実感にも繰り返し記載されています。)。では,どうして法的三段論法で書くことができなかったのか。それは,結局のところ,法的三段論法とはどういう文章なのかを真に理解していなかったことに原因がありました。“司法試験を意識した勉強”ができていなかったということです。
今からでも決して遅くはないので,自分の論文が実質的な意味で法的三段論法に沿うものになっているかを確認してください。
※法的三段論法とは,
1 規範定立(理由を含む)
     ↓
2 あてはめ(事実の法的分析・評価を含む) 
     ↓
3 結論
の各要素が備わっており,①から③が論理的につながっている文章のことです。
 
イ 上位答案の検討
 そこで,私が,取り組んだのは,過去の論文の上位答案の検討でした。自分の書く文章とどこがどのように違うのかを分析しました。どのように規範に理由づけをしているか,事実をどのように(その人の言葉で)評価しているのかを具体的な上位答案の文章でチェックし,自分のなかでこれは真似したいと思うような文章があれば,それを科目ごとにストックとして残していきました。これを繰り返すことで,自然と評価の高い論文を見分ける目を養うことができるようになりました。
 
ウ アウトプット
 そして,上位答案の検討で身に着けた三段論法の感覚を,過去問や演習書を実際に解きながら習得するという作業をしました。その際には,まずは過去問を制限時間内で起案してから,その文章を自分で校正するという順序で繰り返し行い,本番までに十分な作業量をこなしました。もっとも,起案をするには,時間制限を意識することが必要なので,最初のうちは不完全な論文になってしまうことが多いと思います。ですので,校正のときには,法的三段論法にしたがった論理構成ができているのかを時間をかけて丁寧に検討し,より説得的な文章するにはどうすれば良かったかの観点から起案を修正すると効果的な勉強になると思います。
 なお,ここで説明するのは簡単ですが,法的三段論法を習得するには,自分なりに試行錯誤して改善していくしかないということを注記しておきます。

 
4 その他の勉強方法について

ア ゼミ(不定期)
 不定期ですが,ロースクールの友人とゼミを行いました。各自で答案を持ち寄って過去問の検討をしました。
 
イ 判例
 判例研究については,百選のほかにも,過去5年分の重要判例百選にも目をとおして重要な判例を頭に入れておくようにしました。
第3 私からお伝えしたいこと

私は,2度目の受験をするにあたって,アルバイトをしながら勉強をしなければならない状況にありました。そのような時間のないなかで,どうすれば効率的に勉強できるかを常に考えていました。焦りを覚えることも度々ありましたが,実際にはいくら勉強をしても本番で不安な気持ちが消えることはないかと思います。私なりの勉強方法をいろいろ述べてきましたが,これをそのまま実施すればよいというわけではありませんし,本番に向けて新しいことに手を付けるのも得策ではありません。重要なのは,“司法試験を意識して勉強する”ということです。そうすれば,試験本番でも試験問題にしっかりと取り組めるはずです。
冒頭にも述べましたとおり,司法試験で悔しい思いをしている方の助けになりたいとの想いからこの体験記を書きました。勉強で悩んでいることがあれば,できる限りサポートしたいと思いますので,気軽にご連絡いただければと思います。
心身ともに体調には気をつけて最後まで頑張ってください。

以上