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合格体験記 私の司法試験合格法

山口 広輔

 

1 簡単な経歴、法曹志望の動機

 2018年3月 明治大学法学部卒業
 2020年3月 慶應義塾大学法科大学院修了
 2021年1月 司法試験合格

 
 私が法曹を志望した動機は、子供の頃放送されていたテレビドラマを見て、検察官に憧れたことにあります。明治大学法学部に入学した後は法律相談部に入部し、そこで法曹を目指す仲間と出会い、共に勉強をしました。
 私の勉強法は、主に所属していた法律相談部や神田英明ゼミナールの先輩や友人達に教わった方法を基本としているため、独自に工夫した部分はあまりありません。もっとも、これから法曹を目指す皆さんの勉強の参考に少しでもなれば幸いですので、以下記載させていただきます。
 

2 短答式の勉強方法

 司法試験の4ヶ月くらい前から辰巳の短答過去問パーフェクトで過去問を繰り返し解きました。1週目2週目は全問題を解き、正解した問題は○、間違えた問題は×、勘で解いた問題は△の記号をつけました。3週目以降は2回連続で正解した問題を飛ばして解くといった感じで解きました。
 何度も間違える部分は早稲田セミナーの逐条テキストの該当部分にマークし、試験直前に確認できるようにしました。短答式試験では論文式では聞かれないような細かい条文知識や判例知識が必要になることがあるため、条文と判例を一気に確認できる逐条テキスト等を用いることが効率がいいと考えたからです。
 また、司法試験の最終日にある短答式試験には、足切りをされたら直前の論文式試験が無駄になるという恐怖心がありました。この恐怖心から、本番は当初の想定よりも1つの設問に時間をとってしまうのではないかと考えました。特に刑法は、事例を読んで答える設問や穴埋め形式の設問があるため問題文も長く、時間が足りなくなりがちです。
 そこで私は、2、3年分の過去問は短答過去問パーフェクトで体型別に解くだけでなく、制限時間を試験本番の時間より5分少なく設定して時間を測って解くようにしました。後ろの方の問題にも比較的に簡単な問題は散りばめられています。1点2点で何百人という順位の変動がおきることもあるので、前の問題に想定以上に時間がかかって、後ろの問題を解く時間がなくなってしまうという勿体無いことは無くすようにしました。

 

3 論文の勉強方法

 基本的には答案を書いて勉強しました。予備校の答練等を用いて自分の答案を添削してもらうといった形で、書いた答案を客観的に評価してもらえるようにしました。また返却された答案で、指摘を受けた部分や書けてない部分を復習し、論証集に一元化していました。この論証集は、司法試験当日も持参して直前まで読んだりして、最後の最後まで使用しました。
 論文式試験で大事なことは問いに答えることです。特に誘導がついている問題は、誘導文にもヒントが散りばめられています。与えられたヒントを使わない手段はないので、誘導に沿って問いに答える練習を答練等を通じてやっていきました。
 論文式試験では、基本的な論点から現場でどうにか捻り出して書いていないといけない問題まで、多種多様な問題が複合的に出題されます。この試験で意識して高得点を狙っていくのは非常に難しいです。
 そこで私は、基本的な論点を書けることは前提として、採点者に「コイツは他の受験者よりマシだな」と思ってもらえるような答案を書くようにしていました。どのような問題であれ原理原則や制度趣旨といった根幹的な部分に立ち返って論述を進めていくということは非常に大事です。原理原則や趣旨を意識した上で、上記の誘導に沿うなどして問いに答えるという姿勢はもちろんのこと、問題提起と結論の一貫性、問題文の事実をなるべく多く用いたあてはめ、一文を短く読みやすくするといった細部にも意識して書くようにしました。
 他にも、ロースクールでの授業や定期試験の復習にも力を入れました。わからなかった部分は必ず補填し、上記の論証集に一元化することを意識しました。

 

4 使用した書籍について

 書店では多くの本が売られており、自分の好みに合う本合わない本があると思います。もし、書籍選びに困っている方がいらっしゃったら、参考にしていただければ幸いですので、以下私が主に使用していた基本書・予備校本・演習書・判例集を記載いたします。
 
 ・憲法…合格思考憲法、憲法判例の射程、判例百選
 ・行政法…基本行政法、行政法解釈の基礎、基礎演習行政法、事例研究行政法
 ・民法…呉基礎本シリーズ民法総則・物権法・債権総論・債権各論、合格思考民法
 ・会社法…会社法(高橋美加他)、事例で考える会社法、判例百選
 ・民事訴訟法…リーガルクエスト民事訴訟法、判例百選
 ・刑法…基本刑法総論・各論、呉基礎本シリーズ刑法総論・各論、刑法事例演習教材
 ・刑事訴訟法…リーガルクエスト刑事訴訟法、事例演習刑事訴訟法、
 ・労働法…一冊だけで労働法、事例演習労働法

 

5 最後に

 司法試験は精神力勝負です。私は「我覇者也」常にこの気持ちを持って試験に臨みました。わからないからといってパニックになるのではなく、原理原則に立ち返ったり、使える条文はないか六法の目次を眺めてみたりして落ち着いて考えるようにしました。全くわからなかった問題があっても、ある程度勉強して試験に臨んだ以上、現場で自分がわからない・知らない問題は、他の人もわからないし知らない問題です。採点者に他の人よりマシだと思わせる答案を書けば合格できます。皆さんも是非強い気持ちを持って、1つの科目の出来に一喜一憂することなく、次の科目を意識して切り替えていっていただければと思います。

 

以上

 

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