BGM:明治大学校歌(明治大学グリークラブ、明治大学応援団吹奏楽部)PLAY PAUSE ▲POPUP 

Home > 司法試験合格体験記・予備試験合格体験記 > 合格体験記 私の司法試験合格法

合格体験記 私の司法試験合格法

瀬戸 悠未

 

1.経歴

2013年 明治大学法学部卒業
同年    東京高等裁判所 裁判所事務官
2016年 東京地方裁判所 裁判所書記官
2020年 予備試験合格
2021年 司法試験合格

 

2.司法試験の成績

短答式:憲法40、民法63、刑法42(314位)
論文式:刑法以外すべてA(刑法B)、選択科目72.09(104位)
総合得点1042.04(総合順位103位)

 

3.司法試験の成績

 小学生の頃に法律番組を見て、法律の世界に興味を持ちました。そして、世の中の争いを解決するのは法であること、法の専門家として弁護士が大切な役割を担っていることを知り、法を知れば周りの役に立てるかもしれないと思い、漠然と弁護士を目指し始めました。
 なお、予備試験受験に至る経緯は、予備試験合格体験記をご参照ください。

 

4.短答式の勉強方法

 令和2年はコロナ禍のため、予備試験の合格発表が2021年2月であり、5月には司法試験が控えていたため、準備期間が3か月強しかありませんでした。しかも、私は司法試験過去問をあまり解いておらず、選択科目も手付かずだったため、短答式に勉強の時間を割く余裕はありませんでした。
 幸い、司法試験の短答式科目は予備試験と違って3科目(憲法・民法・刑法)しかなく、問題も予備試験のものと相当程度共通しています。そのため、ゴールデンウィークに肢別本(予備試験対策で使っていたもの)と各科目の条文の素読をそれぞれ1周行う程度の対策で足りました。
 現実に、令和3年司法試験については予備試験合格者の短答式通過率が100パーセントであり、私もこの程度の勉強で8割以上の得点を得ることができたので、予備試験合格者であれば短答式を恐れる必要はないと感じました。

 

5.論文式の勉強方法

 前記のとおり、私は予備試験合格の段階で新司法試験の過去問にほとんど着手できませんでした。そのため、直近令和2年の過去問からコツコツと解きはじめました。
 具体的な勉強の流れとしては、まずは本番と同様の2時間で問題を解き、その後、解説を聞き、最後に採点実感と出題趣旨を読むというものです。これを1日1科目、平日仕事から帰った後に自宅でやっていました。
 また、予備試験終了後も、明大答案練習会の先生方が司法試験に向けて答案添削やご講義などの各種指導をしてくださいます。添削して頂いた内容をもとに自分の答案をブラッシュアップすることで、答案の流れや論点に対する理解を深めました。
 しかし、新司法試験の問題は平成18年度からあるため、3か月間ですべての問題を解くことはできませんでした。そのため、平成20年よりも前の過去問にはフルで答案を書くことはせず、問題文を読んで答案構成のみの起案を行いました。
 このように、私の論文式の勉強は過去問を解く(または読む)ことだけで終わってしまいました。圧倒的に時間が不足していたため、今考えると悔いの残る部分もありますが、全年度の過去問に触れることができたのは良かったと思います。
 なお、三段論法や具体的な答案作成の注意点については、予備試験合格体験記をご参照ください。

 

6.選択科目の勉強方法

 私は、予備試験が終わった段階で選択科目を決めていませんでした。最初、倒産法を選択しようと思っていましたが、実務でご活躍中の弁護士の先輩に相談したところ「時間のない予備試験組には国際私法一択」とのアドバイスをいただき、国際私法選択を決意しました。このとき、既に2月の半ばで試験まで3か月を切っていました。
 平日は基本7科目の勉強をしていたため、国際私法は主に土日を使って勉強しました。具体的な勉強方法としては、まず基本書である「国際関係私法入門(第4版) 松岡博編」を一読し、その後必死に過去問を解きました。補助教材として「1冊だけで国際私法 辰巳法律研究所」を使いましたが、法改正がなされている部分があるため、使用する際には注意が必要です。
 国際私法は、渉外的法律関係において、どの地の法を適用すべきかを決するための法です。どの地の法を適用するかを決めれば基本的に終わりであり、複雑な事案にごちゃごちゃ立ち入る必要はありません。参照すべき条文は、法の適用に関する通則法と各種手続法の一部で、すべて合わせても100もありません。また、国際私法は論文の型が決まっていて、型を守って書けば点が付く仕組みになっています。つまり範囲が狭く、書き方も基本的に難しくないのです。
 そのため。結果的には3か月、しかも土日のみの勉強で対策が間に合いました。
 本番では前記のとおり、72.09点という高得点をあげることができました。これはおそらく1桁~10番台の成績で、即席で勉強した割には我ながら上出来です。先輩のアドバイスは大正解でした。仮に倒産法を選択していたら、今頃どんな酷い目に遭っていたか分かりません。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

7.司法試験問題を解く際の注意点

⑴ 途中答案に注意

 予備試験が1科目あたり70分であるのに対し、司法試験は120分です。これは一見すると長く感じるかもしれませんが、司法試験は事案が複雑で、会議録や参照条文も含めれば問題が10頁にわたることもあります。さらに、答案用紙も8頁と予備試験の2倍です。ゆえに、途中答案の危険が高くなります。
 途中答案になっても合格できる人はいますが、採点者からの印象が悪いので完答を目指しましょう。私は、途中答案を防ぐために、問題構成30分、解答90分を厳守しました。完答を第一に考えていたので、細かい日本語の言い回しの良し悪しはあえて気にせず手を動かし続けることを心がけました。

 
⑵ 誘導に乗る

 公法系科目や民訴法には、事例の問題に続けて丁寧な誘導がついています。論述の際は、とにかく誘導から外れないことが大切です。そのため、適切に誘導に乗る読解力や正しい知識もまた重要です。

 
⑶ 事実認定が大切

 司法試験は、予備試験よりも事案が複雑で多くの事実が与えられています。司法試験では、それらの事実に意味づけをして、自分なりに評価する力が特に求められていると感じました。
 予備試験には合格できるのに、司法試験に中々合格できない方は、事実認定が薄いか適切でない可能性が高いです。逆にいうと、事実認定ができている方は司法試験に合格しやすいと思います。

 
⑷ たくさん書けば良いというものではない

 試験本番はアドレナリンが出ているので、すぐに答案用紙に飛びつきたくなりますが、書く前に一呼吸おいて「これは本当に典型論点か」「この事案にどこか特殊なところはないか」と考えてみましょう。本当にただの典型論点を書けば良いこともあるので、判断の難しいところではありますが…
 知っていることを書き連ねた答案よりも、苦しんで悩みを見せた答案の方が高い評価がつきます。現に、私は4頁半しか書いていない公法系のほうが、7頁以上書いた刑事系よりも、かなり評価が高かったです。

 

8.基本書・参考書

・国際関係私法入門(第4版)(松岡博編・有斐閣)
・1冊だけで国際私法 辰巳法律研究所
・演習国際私法CASE30(櫻田嘉章ほか編・有斐閣)
      他、予備試験合格体験記において記載した書籍
 

9.終わりに

 司法試験は中休み1日を挟む合計5日間という、非常に過酷な試験です。試験前や中休みはナーバスになって体調が悪くなりがちなので、各自で気分転換の方法を見つけるなど、体調管理のための工夫をしましょう。
 また、女性は体の関係で、試験期間中に十分なパフォーマンスを発揮できない可能性があります。必要に応じて事前に医師に相談するなどの対策を検討しましょう。
 最後になりますが、この度は自分でも信じられないような高得点で司法試験に合格することができ、これはひとえに支えてくださった皆様方のおかげであると実感しております。心よりお礼申し上げます。

以 上

司法試験合格体験記・予備試験合格体験記