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明治大学法曹会 司法試験合格体験記

H.O
2023年 明治大学法科大学院(既修)入学

1 経歴、法曹志望の動機

2019年4月 早稲田大学法学部入学
2023年3月 早稲田大学法学部卒業
2023年4月 明治大学法科大学院(既修)入学
2024年11月 司法試験合格

以前親族が弁護士に助けてもらったことがあり、その経験から、法的問題を抱えて困った人に気軽に頼ってもらえるような存在になりたいと思い、弁護士を目指すに至りました。

2 短答式の勉強方法

短答は、辰巳法律研究所の『短答過去問パーフェクト』といった問題集を使い、本番の1年前から直前にかけて、各科目3周ほどして勉強しました。
日々の勉強方法は、一日に30〜60問を一気に解き、解き終えたら解説を読み込むというものでした。解く際は、例えば30問解くと決めたら30分間など、1問あたり1分で解く計算でタイマーを設定しておき、必ずその時間で解き終えるようにしていました。短答は本番の試験時間が非常に短く、最後にマークミスがないか見直す時間も考慮すると、1問1分程度で解くべきと考えたためです。
 解き終えたら解説を読み、何度も出題されているような重要な肢や間違えやすい肢を、科目ごとにノートにまとめていました。ノートには、赤シートで消えるペンで大事なキーワードなどを書いておき、通学中の電車で赤シートを使って演習していました。
 間違えた問題や、正答したけれど迷った問題は、ページの端を折り曲げて印を付けておき、本番直前にまとめて解き直せるようにしていました。
 また、1問目から15問目、16問目から30問目など、15問をひとまとまりとして、チェックできるようにした簡単な表を作り、15問を解き終えたら順次そこに日付を書き込むようにしていました。自分の進捗状況や残りの問題数が一目でわかるようになるので、おすすめです。

3 論文式の勉強方法

(1)全体的な勉強のスケジュール
 ロー2年の春休みに入る頃、すなわち本番半年前までは、ローの授業の予習課題をこなしたり、授業で初めて知ったことを復習したりと、授業に関連した勉強をする時間が多く、また、授業以外でも、演習書を周回するなど、インプットに多くの時間を割いていました。
そのため論文の過去問は、本番半年前の時点で、憲法のみ、教育補助講師のゼミで10年分以上起案し添削も受けていましたが、それ以外の科目は、ほとんど手を付けられていない状態でした。
 そこで、本番半年前から直前期にかけて、憲法以外の全科目の過去問を一気に解くことになりました。この期間は、ほぼ毎日起案しており、授業の少ない日は1日に2年分起案したこともありました。平成23年から令和5年まで、全科目の過去問をほぼすべて起案し、起案しなかったものも出題趣旨や採点実感に目を通して論点を確認しました。
(2)具体的な勉強方法
ア 過去問以外について
 例えば民訴法の既判力など、各科目の中で基本的・重要な概念の定義、条文解釈については、授業・ゼミで学んだことや基本書の記述を、本番で書ける程度に簡潔に自分の言葉でまとめ、大きめのふせんに書いて基本書の該当ページに貼るなどして、逐一暗記しました。
 基本書に軽い記述しかなく論証化できないときは、演習書や判例百選の解説を参照することもありました。ただし、上三法については、過去問をやっていれば十分であり、演習書は不要と聞いていたため、下四法のみ、論証化の際に演習書を使用しました。実際に使用した演習書は、行政法が『[新版]行政法解釈の基礎 「仕組み」から解く』、商法が『Law Practice 商法』、民訴が『Law Practice 民事訴訟法』、刑訴が『事例演習刑事訴訟法』です。
 また、過去問の復習の際、出題趣旨や採点実感に、上記のような基本的事項の定義などが書いてあれば、そのまま基本書に書き込むこともありました。
イ 過去問について
 過去問は、一応時間を計って解いていましたが、2時間ぴったりで書き終えられたことはほとんどなく、最後の設問を書き終えるまで10分〜30分程度延長してしまっていました。
 その代わり、解いた後は必ず解きっぱなしにせず、その日のうちにすぐ復習しました。復習としては、出題趣旨・採点実感を読み込んだあと、予備校の再現答案集を見て最低限の合格レベルを確認し、答案において重要な部分や逆に省略してもいい部分などを分析して、どうすれば2時間で書き終えられたのかを考えました。
 再現答案集を見てみると、合格者の再現答案であっても、採点実感でマイナスに評価されていることや不正確なことを書いているものもあり、現実的な合格答案のレベルを知ることができます。その点で、再現答案を読むことは重要ではないかと思います。

4 その他合格に役に立つと考えている方法

授業で扱った問題や過去問を解いていて難しかった論点について、処理手順や論証をローの同期と相談したり話し合ったりしたのが合格に役立ったと考えます。授業では、どうしても先生の話を聞く時間が多く、受動的になってしまいますが、同期と復習する時間を作ることで、改めてそのテーマ・問題について能動的に考えることになり、より理解が深まったと思います。
また、司法試験受験に向けては、やるべきことが非常に多いため、本番までの残り時間を常に意識し優先順位を付けること、そして、一定程度の基本事項を理解できたら、それ以上は一旦後回し、と割り切ることが大事なのではないかと考えます。

5 最後に

 私は合格前、合格体験記をたくさん読んだり、教育補助講師の先生方に受験生時代の勉強方法を伺ったりして、合格者の方々の勉強方法を自分の勉強に積極的に取り入れてきました。この合格体験記も、受験生の皆さまが参考としてくだされば幸いです。
 試験本番は、一日に何時間も、極度の緊張状態の中で集中して起案し続けなければならないという、なかなか過酷なスケジュールです。しかし、最後の1秒まで諦めずに書き切った先に、合格があると思います。皆さまの合格を心よりお祈りしております。

以上

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